年末調整は日本独自の制度
日本では前年度までの所得を3月15日までに確定申告をする必要がありますが、一般のサラリーマンは年収2,000万円を超えない場合、「年末調整」だけで十分です。
アメリカでは年末調整の制度が存在しないため、各々がIRS(Internal Revenue Service、日本の国税庁に相当)にTax Return(日本における確定申告)を4月15日までに行います。
実は年末調整は日本独自の制度です。年末調整とは本来税務署が行うべき業務を会社が代わりに行う制度です。言い換えれば、税金を使うことなく、民間人を使う仕組みであり、国から見ればよくできた制度です。
この制度が日本では何十年も当たり前に毎年度末行われています。
年末調整には「プライバシー」の問題を多く含んでいる
このよくできた制度は、なぜ他の諸外国で行われていないのでしょうか?
答えは単純で個人のプライバシーに大きく関わるためです。年末調整は会社が社員の確定申告業務を行います。そのために、住所、生年月日、配偶者、扶養者の名前、これらの者が障がい者かどうか、そして本人の生命保険の掛け金、損害保険料や火災保険の掛け金、住宅ローンがあればその明細などを会社に提出しなければならないからです。
欧米ではこれらの個人情報を絶対に出しません。
そもそも、欧米では入社時にどこに住んでいるのか、扶養者がいるのか聞くような会社もいません。法的に守秘義務が課せられていない会社に教える必要がないのです。
これらの情報を知っているのは確定申告によって、守秘義務を法的に保証されている税務職員だけです。
年末調整に手を入れる政治家も出てきたが…
先の自民党総裁選で、河野太郎前デジタル担当大臣は「年末調整を廃止し、自動入力される確定申告に一本化」を政策の中で掲げていました。
ようやく年末調整に手を入れる政治家が出てきたのです。
しかし、まだまだ日本は個人情報に関して国際的には発展途上国だと言わざるを得ません。
個人プライバシーの鎖国国家も少しずつ開国に向かってほしいと願うばかりです。
税理士法人奥村会計事務所 代表
奥村眞吾
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一級建築士、土地家屋調査士、
不動産鑑定士、相続専門税理士
4つの視点による「相続税土地評価」
と相続対策の進め方