終わりなき価格競争から「地獄のスパイラル」に陥るケースも…戦略的に経営課題を解決するための「3C分析」とは【経営コンサルタントが解説】

終わりなき価格競争から「地獄のスパイラル」に陥るケースも…戦略的に経営課題を解決するための「3C分析」とは【経営コンサルタントが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

需要が伸びない現代において、売上を確保するのは簡単なことではありません。類似品があふれる業界であれば、終わりの見えない価格競争に巻き込まれる可能性もあるでしょう。そこで本記事では、経営コンサルタントの石原尚幸氏が、持続的な組織の成長・発展を目指した経営戦略を立てるのに役立つ「3C分析」について、具体例とともに詳しく解説します。

「顧客」「競合」「自社」…経営改善につながる分析のコツとは

◆カスタマー(顧客)分析

まず、カスタマー分析。カスタマー分析では、理想のお客さんを考えることがポイントです。理想のお客さんというのは、あなたが商売をしていて「この人に使ってほしい」と思える顧客像です。この理想のお客さんを設定することで、売るべき商品やサービスが明確になり、商売がしやすくなります。

 

  • 理想の顧客のニーズや望み:その人がどのような商品やサービスを必要としているのか。
  • 理想の顧客の行動パターン:どのようなときに購買行動を起こすのか。
  • 理想の顧客の価値観やライフスタイル:どのような価値観を持っており、どのようなライフスタイルを送っているのか。

 

このように理想のお客さんが見えてくると、そこから逆算して自社の商品やサービスをどのように改善すればよいかが見えてきます。

 

◆コンペティター(競合)分析

次に、コンペティターの分析です。競合について話を聞くと、多くの人が同業他社(例:近隣のSS)の名前を挙げますが、これは表面的な分析に過ぎません。

 

本当の競合は、業界を越えて存在することがあります。たとえば、ガソリンスタンドの競合はすでに隣のガソリンスタンドではなく、業界の垣根を越えた異業種(ディーラー、車検専門店、板金工場、保険代理店等)になっています。

 

テレビ局の競合は、他のテレビ局だけでなく、YouTube、Netflix、さらにはスマートフォンやゲームなど、視聴者の時間を奪うすべてのものが競合となり得ます。このように、顧客の行動を広い視野で観察し、本当の競合を見つけることが重要です。

 

競合を分析する際には、次の視点を持つと効果的です。

 

  • 顧客の動向を観察する:理想の顧客が自社以外にどこへ行くかを観察する。
  • 業界のトレンドを把握する:新しい競合がどのような戦略を取っているかを分析する。
  • 異業種の影響を考慮する:異業種からの参入が自社にどのような影響を与えるかを見極める。

 

◆カンパニー(自社)分析

最後にカンパニーの分析です。自社の強みと弱みを分析することは、多くの人が行っていますが、ここでも注意が必要です。強みと弱みを単にリストアップするだけでは不十分です。それを経営戦略にどう活かすかが重要です。

 

具体的には自社の強みと弱みを外部環境のチャンス(自社にとって都合のよいこと)とピンチ(自社にとって都合の悪いこと)に分けて掛け合わせると4つの方向性が見えてきます。

 

 

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