経営者が陥ってしまう「終わりなき価格競争」
親族経営において、最も切実な問題は「明日の売上をどう確保するか」です。明日の売上がなければ、仕入れ先への支払いどころか、社員の給与も銀行への返済もできなくなります。そのために日々考えることは、短期的な売上確保策です。
需要が右肩上がりで増えている時代なら「短期的な売上確保策」だけでもやっていけたのですが、市場の需要が伸びない今の時代、やがて行き止まりが訪れます。ネット社会となり、あなたが売っているものと同じような商品はネットを探せばいくらでも出てきます。
すると、お客さんはあなたの商品とネットで検索された商品を一番わかりやすい「価格」で比べ始めます。すると、相見積もりとなり、やがては価格競争となっていきます。この結果、売上が伸びないどころか粗利率まで下がり、収益は悪化の一途をたどります。
収益が上がらないので経営者としてはさらなる売り上げアップを求め、不毛な終わりなき価格競争へ突入していくことになります。
事実、私がガソリンスタンド業界で経験したのは、この「需要減➡価格競争➡粗利率の低下➡収益の悪化➡終わりなき価格競争」という地獄のスパイラルでした。
価格競争から抜け出すカギ!「3C分析」とは
このスパイラルに終止符を打つために、たどり着いた答えが「戦略思考」でした。戦略とは古代から使われている思考法です。「孫氏の兵法」では「敵を知り己を知らば100戦危うからず(敵のことと自分のことがわかっていれば100回戦っても負けることはない)」と説かれています。
つまり「戦略思考」とは自分が持てる資源を有効に使い、いかに自分の傷を最小限にして戦に勝つか」を考える思考法です。紀元前に書かれた書物ですが、現在の経営にも十分使える考え方です。
ただ、「敵を知れ」とか「己を知れ」とか言われても、いったい何を知ればよいのか、つかみどころがありません。このときに有効な戦略思考の1つが「3C分析」です。
3C分析とは、「Customer(カスタマー=顧客)」、「Competitor(コンペティター=競合)」、「Company(カンパニー=自社)」の3つの要素を分析し、最適な経営戦略を導き出す方法です。
この手法は、大前研一氏の世界的ベストセラー『企業参謀』で広まり、多くの企業で用いられるようになりました。具体的に分析内容を見てみますので、自社だったらどうするかを考えてみてください。
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