不遇の時代が続く就職氷河期世代の実態
大学を1993年~2004年に卒業した現在40代半ば~50代前半の世代は「就職氷河期世代=ロスジェネ」と呼ばれ、就職に苦労しました。1993年といえば1991年のバブル崩壊の影響が出始めた時期です。
この時代の大学就職率は69.7%と平年より10%以上も低下。大卒求人倍率は2000年卒で0.99倍にまで落ちました。これは「就職活動をしても内定が1つも出ない可能性がある」ということです。
もちろん複数の内定を手にした優秀な学生もいたでしょう。しかし、「1つ内定が出れば御の字」「選べるなんて贅沢」という人も少なくなかったのです。やっと就職できても希望とはまったく違う職種ということもめずらしくありませんでした。
あれから20年の時が流れましたが、出だしでつまづいたことが影響し、今でも賃金の安い仕事をしていたり、非正規雇用で働いていたりする人が多くいます。
令和4年の国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、日本の平均年収は458万円。このうち正社員は523万円、非正規社員は201万円となっています。つまり、正社員と非正規社員では実に320万円以上の差が出ているわけです。もしこれが30年続けば、6,400万円以上、30年では9,600万円以上の差になります。
こうした状況を考慮し、厚生労働省は官民連携でさまざまな支援策を講じています。例えば『就職氷河期世代の方々への支援のご案内』というサイトを設け、氷河期世代で仕事に不安・悩みを抱えている人に向けて情報発信しています。また、『就職氷河期世代限定・歓迎求人』という採用検索ページも設置しています。
一方、氷河期世代でもなんとか安定を手に入れた、そんな人も「親の介護」という問題で窮地に陥るケースが増えているといいます。例えば、こんなケースです。