経済危機で金はどうなる?
経済危機とは、国家や地域、あるいは世界規模で経済活動が急激に悪化し、金融システムの崩壊や企業の業績が悪化、仕事の減少、人々の収入が減少など、実体経済に深刻な混乱が生じる現象です。
代表的なものとしてバブルの崩壊、通貨危機、銀行危機(不良債権の増大による銀行システムの信用危機)などが挙げられます。
「地政学的リスク」による価格影響と構造は同じですが、経済危機が発生すると、投資家や消費者はリスク回避のために安全資産である金を選ぶ傾向が強くなり、金の価格は経済危機の際に上昇することが多いといえます。
ここでは、金融危機が金価格に与える影響の例として、2つの対照的な事例を見てみましょう。
リーマン・ショック(2008年)の例
たとえば、最大の国際的金融危機であるリーマン・ショックが発生したとき、金の価格はどうでしたでしょうか。
リーマン・ショックは、2008年9月15日にアメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したことに端を発し、世界中に波及した金融危機です。この危機は、住宅バブルの崩壊と、それに関連するサブプライムローン問題が引き金となり、銀行や金融機関の破綻、株式市場の大暴落、そして世界的な不況を引き起こしました。
[図表1]を見ると、危機の初期には、リスク回避の動きが強まり、多くの投資家が現金を確保するために金を売却したため、金価格が一時的に下落しました。
しかし、その後、金融市場全体が混乱し、株式市場が急落すると、金は再び安全資産として注目され、価格は急上昇しました。
とくに、各国の中央銀行が大規模な金融緩和政策を実施し、インフレ懸念が高まるなか、金価格は2011年に1900米ドル/オンスという史上最高値を記録しました。
最初の一時的な価格下落は特徴的であるものの、金融不安が長引くにつれて価格が大幅に上昇し、結果として、金がインフレや金融不安に対するヘッジとしての役割を果たしたといえそうです。
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