不動産会社のメールには当日中に返信し、本気度を示す
前回の続きです。一から出直しです。再びパソコンに向かい、物件情報サイトにアクセスして条件を入力します。そして少しでも希望に近い物件を見つけると、すぐにメールを送りました。
「地元の地銀で、4.1億円の融資承認を受けましたが、売主の都合で流れてしまいました。同じような物件があればすぐにまた融資が受けられます」とコメントを記入し、先方が連絡を取りたくなるように配慮してみました。
そうするととりあえずどの不動産会社も反応がよく、すぐに物件の詳細を送ってくれます。
得た情報をもとに1件1件シミュレーションを行いました。
返済比率が50%以下で、キャッシュフロー比率が30%以上になることが条件です。
オーバーローンの場合、この条件に合う物件はなかなかありません。そうするとお断りするしかないのですが、必ずその日のうちに返信することで、本気度を示しながら相手への誠意を尽くしました。これを数ヶ月間、ひたすらくり返しました。
会社から帰宅したらすぐにメールをチェック。そのままシミュレーションをしてコメントをつけ、返信しました。そのため、かなり寝不足の日々が続きます。そしてそろそろ疲れもピークに達したころに、ある不動産会社から電話がありました。
「お客様が問い合わせをされた物件は積算が低く、融資が出ないと思います。代わりに今日入ってきた未公開物件の方をおすすめします」
ついに来ました! サイトに掲載されていない未公開物件こそ、上質でかつ競争相手がなく、じっくりと取り組める物件なのです。まさにこの時を待っていました。この未公開物件情報を入手するために、せっせと不動産会社との関係を構築し続けるべきなのです。
そして、当初は売主さんが3億以下では売らないと言っていた物件を、仲介会社の社長自ら粘り強く交渉していただき、結果的に2.9億円で購入することになりました。銀行の評価も上々で、3億円のオーバーローンが確定。収益の利回りは7.9%と厳しかったものの、築18年だったので融資期間が29年と長く、金利も1.2%ということで、十分なキャッシュフローを生んでくれます。
キャッシュフローの「目標金額」を仲介会社と共有
素晴らしい物件の売買契約が行われる日、管理会社との打ち合せで、管理費が当初聞いていた金額よりも年間で200万円も高いということが発覚しました。
管理会社が契約時に提示してきた価格は、通常の相場からみてもあり得ない高さです。話が違い過ぎることに仲介会社の社長も激昂し、1ヶ月だけ猶予を見て、管理費の見直しを要請しました。それでも価格が折り合わない場合には、管理会社を変えると宣言しました。
ところが、再見積りは数十万円安くなっただけなので却下。仲介の社長が責任を感じて新しい管理会社を見つけてくれて、ようやく計画通りの予算に収まるように落ち着きました。
仲介会社が、私の意図をしっかりと理解して盾になってくれた理由は、私が購入を決意した根拠となるキャッシュフローの目標金額を、きちんと伝えていたおかげです。
それまでに、なかなか購入まで至らずに終わったシミュレーションは数十件を超えます。そのおかげで間違いのない購入につながりました。
また、「依頼されたものはその日に返信する」というポリシーで、たとえ午前3時になっても、依頼されたことに対して夜が明ける前には必ず返送していました。そんな私の姿勢が、利害を越えた信頼関係を築けたと思っています。
こうして私は2013年12月末に江戸川区葛西に4棟目の物件を取得しました。
真面目に不動産事業に取り組んでからたった1年半で、自己資金ゼロのまま、年間キャッシュフローが当初の20倍の1500万円になりました。
【写真】 東京都江戸川区葛西のRCマンション