賃貸経営の収益を圧迫する「金利」と「管理費」
晴れて中古RCを手に入れて、木造アパートとの経営状況を比較してみました。
東京都清瀬市のRCマンションは、キャッシュフローが年間450万円、月収37.5万円。千葉市蘇我の木造アパートは、キャッシュフローが年間80万円、月収6.5万円。博多市の木造アパートのキャッシュフローは、年間40万円、月収3.7万円。
特に博多のキャッシュフローが悪い理由は、①金利が高いこと、②管理費が高いことの2点に尽きます。
そこで私はまず、返済期間が1年を過ぎた博多物件の金利を下げてもらおうと、銀行に交渉を試みました。
しかし担当者から、「清瀬の物件も融資させていただいていますので、あと2年はこのままの金利でお願いします」とバッサリ断られてしまいました。確かに清瀬のRCも、博多の木造と同じ銀行で融資をしてもらいました。それがたった2ヶ月前のことなので、すぐに金利を下げるのは無理、ということでした。
次に家賃収入の17.7%もの割合が管理費として消えていることから、管理費を下げてもらうための交渉に行きました。その物件は販売会社系列の管理会社がそのまま管理をしているので、融通が利かない状況でしたが、実はそこに突破口があったのです。
「管理は全国一律の基準で行っているので、桜木さんの物件だけ特別対応はできません。その代わり、金利を下げられる金融機関をご紹介しますので、そちらで借り換えしましょう」と逆提案をしてきました。
銀行の融資承認が下りた理由は「人」!?
不動産会社から紹介され、借り換えのために銀行に訪問してから2ヶ月以上経つのに何の連絡もありません。何度か連絡して、ようやく結論が出ましたが、融資不可ということでした。とても落ち込みました。他にも教育ローンの審査もNGになり、かなり心が折れました。
そんなときに、総額29億円の融資を引いている知人に相談しました。「なぜそんなに何回も融資をしてもらえるのですか?」
「とにかく銀行を開拓し続けることですよ。断られるのなんて普通のこと。そんなことでへこたれていたら、この業界でやっていけませんよ」と淡々とした答え。
その人はまるで街中でナンパをするような感覚で銀行にアプローチをしているとのこと。一度や二度うまくいかなかったからといって、落ち込むどころか、次の銀行にアタックするためのモチベーションに変えているそうです。
たしかに、諦めるのはいつでもできる。
成功する秘訣は、成功するまでやり続けること。そんな言葉を胸に、私はもう一度前述の不動産会社に、他に可能性のある銀行はないか、問い合わせてみました。
「桜木さんの場合、やはり個人負債が大きく、かなり難しいかもしれませんが……」とすっかり弱気になった営業マンが、ダメもとで一つの地銀を紹介してくれました。
次の銀行ではアプローチの角度を変えることにしました。いろいろありましたが、借り換えが無事にできたので、後日支店長に、その理由を聞きました。
「なぜ、今回私に融資承認が下りたのですか」
支店長は、「奥さんの前で恐縮ですが」と前置きされ、「ズバリ、人です」と答えられました。
「銀行は数字で判断します。でももう一つの役割は、人を観て、物件を診て、話を聞くことが支店の役割です。桜木さんの場合、数値だけでは今回の融資は難しかったのですが、ご自身で所有物件のデータを詳細に把握されていて、スピーディーな資料提出が審査の進捗を早めました。相乗的に良い結果につながったのだと思いますよ」
「求められた資料は必ずその日のうちに提出すること」これが私のモットーでした。手触り感のある数字と、素早い行動が結果につながったのです。