PCEデフレーターは上振れで、緩やかな利下げを正当化
⽶商務省が公表した、2024年10⽉の⾷料品及びエネルギーを除いたコアPCE(個⼈消費⽀出)デフレーターは前年⽐+2.8%と、9⽉(同+2.7%)から⼩幅ながら伸びを⾼めました(図表1)。
内訳では、コア財(9⽉︓前年⽐▲0.4%→10⽉︓同▲0.4%)の下落が継続するなか、コアサービス(9⽉︓前年⽐+3.7%→10⽉︓同+3.9%)は伸びを⾼めており、サービス分野のインフレ圧⼒の根強さが改めて⽰されました。
物価の瞬間⾵速を⽰す前⽉⽐では10⽉のコアPCEデフレーターは+0.27%(9⽉︓+0.26%)と、概ね市場予想通りの結果となりました(図表2)。
もっとも、FRBがインフレのモメンタムを測るうえで重視している3ヵ月前⽐年率値は+2.80%(9⽉︓+2.36%)と幾分加速しており、インフレ抑制に向けた進展が停滞している状況が⽰されました。
FRBが公表したFOMC議事録(11/6、7開催分)では、当局者が今後の利下げに対する慎重なアプローチを幅広く⽀持したことが明らかとなりました。
もっとも、⼀部の参加者はインフレ率が⾼⽌まりする場合には、「政策⾦利の引き下げを⼀時停⽌し、抑制的な⽔準を維持できる」と指摘しており、今回の結果はこうしたFRBの利下げを急がないスタンスを裏付けるものとなりました。