勉強のために出向いた「現地見学会」だったが・・・
これからお話しするのは、私が不動産投資を始めてから現在に至るまでの実話です。
それは、インターネットで「アパート経営」という文字を検索したところから始まります。「現地見学会」の案内を見つけて申し込んだのが、すべての始まりでした。2009年の9月中旬のことでした。
現地へ行くと、できたてホヤホヤの白いアパートが2棟、並んで建っていました。ロフトがついた1K6畳の間取りで家賃が6万円。6室と8室でした。「私は購入目的で来ていません。アパート経営の勉強を今日から始めるレベルで、頭金もまったくありません」と伝えていたので、そのアパートの収益に関する説明はほとんどなく、建築の工法や内装の素材などについての解説のみで終始しました。
およそ2週間くらい経ったある日、その説明をしてくれた営業マンから電話がかかってきました。
「先日ご覧いただいたアパート、いかがでしたか?」
「いや、いかがも何も、お金がないので買えませんが、勉強にはなりました」
「実は、あの物件、購入を検討されていた方がローンを組めなかったので、桜木さん、ご興味があればいかがでしょうか、と思いまして」
「は? 私に? いやいや、でもまったく頭金がないんですよ」
「はい、存じております。でも、この物件は実は〝リーマン物件〟と申しまして、リーマンショックの影響で価格が安くなった物件です。そこで頭金がなくても購入できますので、よろしかったらいかがですか?」
思わぬ展開に戸惑いと怪しさを感じつつ、「頭金が本当にゼロで買えるなら考えたい」と答えると、その週末にすぐ打ち合せをすることになりました。
自己資金を1円も使わずに「アパートオーナー」に!?
それからはあっという間でした。
物件価格は5900万円のところ期間限定で5300万円、利回り8%で毎年400〜450万円程度の家賃収入があると。そして、「今回は本当にお得な売価です!」「時間が勝負です!」「断るなら次の人に声をかけます!」「買うなら今です!判断してください!」と、セールストーク炸裂。すべてに慎重な私が、なんとその場で購入を決意してしまったのです。
決め手になったのが、「月々手取り額は5〜6万円。自分が払うお金は1円もいらない」ということでした。
2週間後にはローン契約をし、気づいたらアパートオーナーになっていました。頭金を一切入れず、諸経費まで融資で賄うオーバーローンですから、本当に1円も使っていません。
担当者が言いました。「必要な融資を得るためには、お勤め先・ご年収・自己資金の3つが大事です。このうち2つまで揃っていれば、後は私たちが何とかします」まさに私は自己資金以外の2つは、この物件を買う属性に当てはまったわけです。