ビットコインで2億円を手に入れた57歳一介の経理課長…税金に嫌気がさし「ドバイ」へ飛ぶも、華やかな生活は続かず「老後破産」へ【FPが解説】

ビットコインで2億円を手に入れた57歳一介の経理課長…税金に嫌気がさし「ドバイ」へ飛ぶも、華やかな生活は続かず「老後破産」へ【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

仮想通貨で巨額の利益を得た人が、高額な税金から逃れるために海外移住を検討するのはよくある話です。特に、税制優遇が魅力的なドバイは、こうした人々にとって人気の移住先の1つです。しかし、現実は甘くないようで……。本記事では、阿部さん(仮名)の事例とともに、資産計画の重要性について、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナーである波多勇気氏が解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

ビットコインで掴んだ2億円と夢のドバイ移住

阿部修一さん(仮名/当時57歳)は普通のサラリーマンでした。会社では経理課長を務め、毎日忙しい日々を送っていましたが、老後の蓄えについては常に不安を抱えていました。「このまま定年まで働いて、果たして十分なお金が残るのだろうか」。そんなとき、彼の目に飛び込んできたのが仮想通貨、特にビットコインのニュースでした。

 

「最初は趣味程度でした。投資好きの友人に絶対に来るからなにも考えず入れとけといわれ、数十万円だけ入れたんです。最初は見張っていたんですけれど、ほかにも投資は行っていたし、大して期待していなかったというか。仕事も忙しくてあまり気にしなくなり、パスワードを忘れてしまったのでほったらかしにしていました」

 

しかし、2010年代後半の仮想通貨ブームで、その資産は数年で驚異的に膨れ上がります。暴騰したと聞いて、自分が設定しそうなパスワードを必死に思い出したんです。最終的には2億円もの利益を手にしました。

 

「夢みたいな話でしたね。まさか自分がこんな大金を手にするなんて思いませんでした」

 

一方で、日本の税金がその喜びに冷や水を浴びせます。仮想通貨の利益に課される高額な税率が最大55%であることを知ったとき、阿部さんはある決断をします「どうせなら、このお金は全部自分のために使いたい」。

 

そこで選んだのが、個人所得税が課されないドバイへの移住でした。

 

「ドバイなら、税金を気にせず自由に暮らせる」20年ほど前に離婚して、子どももおらず、身軽なおひとりさまの阿部さんは早速行動に移しました。日本の自宅を売却し、手続きも済ませて渡航。到着したドバイの街並みは、まさに夢のようでした。世界一の高さを誇るブルジュ・ハリファ、きらびやかなショッピングモール、贅沢なレストラン。すべてが「成功者」のために用意された舞台のようでした。

 

阿部さんはすぐに高級マンションを借り、スーパーカーを購入。贅沢な生活を始めます。

 

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※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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