無理だろ、今さらローンを組むなんて…「評価額6,900万円」「築70年都内の実家」が空き家に…実家を相続したおひとりさま〈65歳男性〉に残された3つの選択肢【相続の専門家が解説】

無理だろ、今さらローンを組むなんて…「評価額6,900万円」「築70年都内の実家」が空き家に…実家を相続したおひとりさま〈65歳男性〉に残された3つの選択肢【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

築70年の実家にお住いの恒夫さん。ついにお風呂が使えなくなってしまい工事費の見積もりを頼んだところ、200万円かかるだけでなくほかの場所もリフォームが必要になることは目に見えています。いっそのこと建て替えか住み替えをしようかと悩み、お兄さんと一緒に相談に訪れました。本記事では、相続した家の売却や資産組替ついて、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が解説します。

おひとりさまは身軽なほうが楽

恒夫さんは兄が結婚した後もずっと両親と同居してきました。仕事も続けてこられたので同居のメリットは大きいと言えます。父親の介護は母親がしてくれていましたので、それほど恒夫さんに負担がかかることはなかったのですが、母親も80代半ばをすぎると認知症気味に。60歳で定年になった恒夫さんが介護をする役割となり、やはり大変だったといいます。

 

自宅は昔ながらの作りでバリアフリーにリフォームもされていません。母親の日常生活からサポートをする必要があり、定年後だからこそできたと恒夫さんは話していました。

母親が亡くなって次のステージへ

昨年、母親は93歳で亡くなりました。平均寿命を超えての大往生ですので、兄も恒夫さんも思い残すことはないということです。

 

兄は夫婦共有の家もあり、子どももいるので、実家は恒夫さんが好きなようにしていいと言ってくれています。

 

人生100年時代と考えれば、恒夫さんの第二の人生はまだまだ始まったばかり。いよいよ自分のために決めて、次のステージに進むときです。

 

おひとりさまという状況であれば、これから35年ローンを抱えていくよりは、売却、資産組替で、金銭的にも精神的にも負担のない形にされることをおすすめしました。恒夫さんもそうした方向で考えたいと前向きに進めていく予定です。

 

 

※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

 

曽根 惠子
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士

 

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

 

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

 

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