空き家になった自宅、これからどうする?
ようやく母親の1周忌も終わり、相続税の申告や名義替えができたことで、恒夫さんはあらためて「相続した実家をどうにかしなくては」と考えました。
選択肢はいくつかありますが、主には次の3つになります。
2.半分売って売れたお金を建築費にして、建て替える
3.売却して売れたお金で住替える
それぞれのメリット、デメリットがありますので、それぞれを整理すると次のようになります。恒夫さんが相続されたご実家は都内なので、参考価格は周辺の事例より提要しています。
1.建築費を借入して自宅を建て替える…土地を残したい場合
【メリット】
55坪の土地には110坪の建物が建てられます。おひとりさまが住む家には広すぎるため、20坪を自宅として90坪を賃貸する賃貸併用住宅を建てることを想定します。
坪単価が100万円の木造建物を建てると1億円の建築費がかかります。建築費は総額を借り入れで調達すると、期間35年として月306,184円を返済する必要がありますが、家賃収入から返済できる事業計画は立てられます。
・返済 306,184円
・差し引き 393,816円
【デメリット】
借り入れが必要となるだけでなく借り入れのための連帯保証人が必要。おひとりさまの場合は相続人の兄か甥姪が候補となります。さらに、自宅に賃貸住宅が併設されているため、賃借人との関わりも必要になります。
2.半分売って売れたお金を建築費にして、建て替える…土地を残し、借り入れなしにする場合
【メリット】
土地半分を売却してそのお金を建築費に充てられるため、借入が不要となります。
27.5坪の売却代金の想定は坪150万円で売却したとすると売買代金は4,125万円となります。55坪の建物を建て半分の2戸を賃貸する場合、20万円程度の家賃が得られます。
【デメリット】
自宅の土地が半分になります。賃貸住宅が併用されているため、賃借人との関わりも必要になります。
3.売却して売れたお金で住み替える…土地は残せないが、借入のない住み替えができる
【メリット】
自宅土地を坪150万円で売却すると8,250万円を受け取れます。そのお金を原資として自宅と賃貸物件を購入することができます。老後を考えて自宅はワンフロア―、バリアフリーのマンションが候補となります。賃貸物件は中古の区分マンションのオーナーチェンジ物件だとすると4,000万円、利回り4%であれば毎月13万円の家賃が得られます。自宅と賃貸を分けることで煩わしさはありません。
【デメリット】
住み慣れた自宅がなくなってしまいます。