アイデアソンで外国人観光客の集客イベントを検討
③地域活性化
地域活性化やまちづくり、地域課題の解決を目的として開催されるケースで、これまでワークショップと呼ばれていたものに比較的近い。
地域住民に加え、まちづくりやNPOのリーダー、コミュニティデザイナーやまちづくりプランナー、地域活動参加者や学生が参加し、地域ビジネスのアイデア創出や、地域活性化のためのイベントやプロジェクトのプラン作りを行う。
たとえば、地域活性化をテーマに、地域に外国人観光客を集客するためのイベントやサービス、ツアー企画を考えるといったものである。
主催は行政や公的支援機関、コミュニティ団体、NPO法人、中間支援機関、まちづくり団体、大学等が主となる。イベントは公開で行われることが一般的で、これまでの地域づくりワークショップに代わる形で実施され場合が多い。
約3カ月の期間をかけての長期イベントも開催
<事例>
●いなかソンin五城目─秋田の田舎で廃校ハック
日時/2013年11月9日~11月10日、主催/株式会社CCL、場所/五城目町地域活性化支援センター(秋田県南秋田郡五城目町)
廃校を活用したインキュベーション施設を会場に、現地の人々との交流を通じて、“地域の宝探し”や“田舎暮らし”をテーマとしたITサービスのアイデア創出を目指したアイデアソン/ハッカソン。2015年10月現在3回開催され、秋田県内はもちろん、全国から参加者が集まり、地域住民と一緒になった地域活性化のアイデアや新たなアプリ開発に取り組んでいる。
●ひらかれた町と働こう!ローカルと関わる新しい働き方
日時/2015年6月19日、主催/Google「イノベーション東北」、場所/六本木ヒルズ森タワー(東京都港区)
Googleが東日本大震災後に始めた「イノベーション東北」が進める新たな地域とのコラボレーションアイデアの創出に向けて開催されたアイデアソン。
宮城県女川町のNPO法人「アスヘノキボウ」と、島根県海士町の株式会社「巡の環」が、それぞれ今後取り組もうとしている提案を行い、参加者はその具現化に向けて、「自分でつくる女川ガイドブック」や「入国審査が必要!? 入国証で盛り上げる『海士ファン』コミュニティ」、「今年の勝手に『女川特区』~特区で盛り上げる女川との絆~」といったアイデアを創出した。
●仙台ミラソン2015
日時/2015年6月14日、主催/「未来仙台市」実行委員会、場所/仙台地下鉄東西線国際センター駅(宮城県仙台市)
学生を中心とする若者と市職員、IT技術者がチームとなって地域課題解決に向けた具体的な企画立案と実践を目指した。単発のイベントではなく、約3カ月の期間をかけて実施された。
●出身地Dayアイデアソン
日時/2013年9月1日、主催/日本財団CANPAN、場所/日本財団ビル会議室(東京都港区)
出身地や地元好きな人々、同郷の人たちの出会いと交流の場である「出身地Day」の特別企画として開催された。同じ都道府県出身者がグループになり、東京で自分の大切な出身地の活動やプロジェクトを考えた。
●伝統産業アイデアソン
日時/2016年3月7日、主催/高知大学地域協働学部コミュニティデザイン研究室場所/高知県産学官民連携センター(高知県高知市)
担い手不足や市場の縮小などの課題を抱える伝統産業の活性化を目指し、大学生を中心とした学生と、伝統産業従事者とが一緒に高知県の伝統産業の新たな魅力発掘のためのアイデアソンを開催。
高校生や大学生の視点から、高知県の伝統産業の持つ魅力を発信するためのツーリズムや、伝統産業に従事する人のドキュメンタリーの制作といったアイデアを創出した。