マイホームを手放し賃貸宣言
思い悩んだAさんが出した結論は、自宅を売却して賃貸に住むというものでした。幸いにも、高齢者向けの賃貸物件が安価で近隣に募集されていました。子どもたちに「実家はもう処分したわ。これからは賃貸で暮らす」と告げると、「そうなんだ」というあっさりした返答。「これでよかったのだ」とAさんは晴れ晴れとした気持ちになりました。
Aさんの事例はセカンドライフにおいて賃貸暮らしへの移行が成功した事例です。しかし、Aさんの成功事例がすべての人たちに当てはまるとは限りません。なぜなら、この事例では人によって異なる不確定要素がたまたま賃貸暮らしに有利に働いただけともいえるからです。
・十分な金額で売れなかったら
・賃貸市場が成熟したエリアじゃなかったら
これらの「もしも」が1つでも当てはまっていれば、幸運な賃貸宣言を実現することはできません。実際は消極的な賃貸生活を送る可能性のほうが高いでしょう。老後に賃貸暮らしへ移行することが問題ではありません。消極的な選択により持ち家から賃貸生活に陥ることが問題です。そうならないためには、以下の点に注意することが重要です。
相続について事前に話し合っておく
相続の話を生前にするのはタブー視される風潮がありますが、相続発生後に遺産分割協議がまとまらないことのほうが問題です。相続がまとまらないことによって空き家や空き地が増加し社会問題になっています。さらに、二次相続・三次相続が発生することで相続人が増え、誰が所有者なのかがわからなくなることも懸念点です。
計画的な維持管理を心がける
持ち家は相続の面では資産ですが、居住の面では消耗品です。そのため、ライフプランに合わせて計画的にリフォームを行うことが欠かせません。維持管理がおろかな状態は減価要因となるため売却価格にも悪影響をおよぼします。
不測の事態によって持ち家を手放さなすことのないよう、早いうちから資産と住宅の両面から持ち家と向き合うようにしましょう。
<参照>
「相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)~なくそう 所有者不明土地 !~」 東京法務局
三澤 智史
一級建築士
注目のセミナー情報
【減価償却】11月20日(水)開催
<今年の節税対策にも!>
経営者なら知っておきたい
今が旬の「暗号資産のマイニング」活用術
【国内不動産】11月20日(水)開催
高所得ビジネスマンのための「本気の節税スキーム」
百戦錬磨のプロが教える
実情に合わせたフレキシブルな節税術
【国内不動産】11月21日(木)開催
金利上昇局面に対応!銀行からフルローンを引き出す
「最新不動産投資戦略」
利回り7%超!「新築アパート投資」セミナー
~キャッシュフローを最大化させるためのポイントも徹底解説
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】