(※画像はイメージです/PIXTA)

大きく注目されていた米大統領選でトランプ氏の再選が確実視され、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

トランプ政権発足後の見通しは?

FRBは11月6、7日に開催したFOMCで大方の予想通り、0.25%の利下げを決定し、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジが従来の4.75〜5.00%から4.50〜4.75%へ引き下げられました(図表3)。

 

出所:Bloomberg
[図表3]FFレートの推移 出所:Bloomberg

 

0.50%の利下げを決定した9月会合に続き、インフレ率の鈍化や労働市場の軟化を理由に、追加利下げにより金融引き締めの度合いを一段と緩めることが適切と判断したとみられます。

 

パウエルFRB議⻑は記者会見で、経済活動が9月時点での見通しより力強くなっている点やインフレが抑制されている点に自信を示しつつも、「労働市場をさらに冷え込ませる必要はない」とこれまでの認識を繰り返しました。その上で、「今日の利下げでも政策は依然として制約的だ」と明言しつつ、今日の決定も労働市場を維持するための、中立に向けた政策の再調整の一環だと強調しました。

 

また、政策金利が中立水準に近付けば、「いずれペースを緩める段階に達する可能性がある」としたものの、「これはまだ検討を始めたばかりのことだ」とも述べました。

 

パウエルFRB議⻑はさらに、FOMCはトランプ新政権がどのような政策を実施するか、またその政策が経済にどのような影響を与えるかについて推測したり想定したりするつもりはないとしつつも、「今のところ、原則として、政権の政策や議会が実施する政策は、⻑期的には我々の二重(物価と雇用)の使命の目標達成にとって重要な経済効果をもたらす可能性がある」と述べました。

 

パウエルFRB議⻑は政策金利を中立水準に戻す考えを強調しているものの、来年1月に誕生するトランプ政権の下で、拡張的な財政政策が講じられれば、経済見通しと利下げペースについて修正を迫られる可能性があります(9月会合での経済見通しは図表4参照)。

 

出所:FRB公表資料をもとに東京海上アセットマネジメント作成
[図表4]FOMC参加者の9⽉時点の経済⾒通し(中央値) 出所:FRB公表資料をもとに東京海上アセットマネジメント作成

 

5日に投開票が始まった米大統領選において、選挙人の獲得人数は共和党のトランプ候補が312人と、⺠主党のハリス候補の226人を大きく突き放しています。また、連邦議会選では上下院ともに共和党が優勢な状況となっています(日本時間8日10時時点)。

 

 

東京海上アセットマネジメント 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…11月第2週の「米国経済」の動き』を参照)。

 

※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。

※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。

 

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※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー(11/4〜8)~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
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