親の介護は誰が…兄弟での話し合い
60代のAさんは3人兄弟の長男です。両親が年金を受け取るころ、兄弟で老後の両親の話し合いをしました。Aさんが両親の生活等をみることを条件に、両親が住んでいる家を継ぐという話し合いになっていました。
話し合い後にAさん家族は、Aさんの実家に同居します。しかし数年後、母親が他界。さらに、実家の最寄り駅周辺が再開発により大きく変わっていきました。実家は駅近であるものの、近所はさびれており、売っても大したお金にはならないと思っていたのですが、再開発により商業施設等が建ち並び、利便性がよくなることがわかりました。土地は値上がり、Aさんの実家も例外ではなく、資産価値が上がりました。
父とAさん一家との同居生活
父は現役時代から家事全般を母に任せきりだったため、共働きのAさん夫婦にとって家事のできない父の面倒をみるのは大変です。それでも父が元気なころは、外出していることが多く、手のかかることは少なかったので、「父は友達が多いタイプでよかった」などと妻と話していました。しかし、80歳をすぎたころから、父の仲間が病気になったり、施設に入ることになったりと父は外で集まることができなくなり、家にいることが増えていきます。
家事のできない、してこなかった父が一日中家にいると、部屋は散らかし放題。食べ散らかしたものもそのままになっています。仕事から帰宅すると、まず片付けから。それでもひとりで留守番ができ、買い物ができるからと、なにもいわずにいたところ、父に健康診断でがんがみつかり入院、手術をすることに。
退院したものの足腰が弱くなってしまったせいか、家の中で転倒、骨折します。再度、入退院となるも、1人で自宅にいさせることが心配となり、家の近くの有料老人ホームに入居させることにしました。老人ホームの利用料金総額が月に約18万円、父の年金は月18万円と、ぎりぎりです。弟たちに援助を頼むと、「土地の価値があがったいま、相続財産として考えると、最期まで面倒をみてくれないと割にあわないから援助しない」と断られました。
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