(※写真はイメージです/PIXTA)

我が子のためになんでもしてやりたい、親であれば多くの人がそう考えるかもしれません。しかし、「我が子のため」も度を過ぎると自らの生活さえ立ち行かなくなることも……。本記事ではAさんの事例とともに、親子間のお金の問題が家計に与えるリスクと、老後の生活を守るための具体策について、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナーである波多勇気氏が解説します。

老後生活と想定外のリスク

総務省の調査によると、60代後半から70代の夫婦世帯の平均的な生活費は月約25万円。しかし、Aさん夫婦のように年金だけで慎ましく暮らしていると、そこに想定外の支出が重なると、たちまち老後の安定が脅かされることになります。さらに孫の教育費や健康管理の出費も重なると、毎月の支出が30万円を超えることもあり、予備の貯蓄が一気に目減りしていきます。

 

Aさんはある夜、妻に話しました。「俺たち、せっかく計画的に貯めた貯金が減っていくのを見るのはつらいな。それに、M(孫)がもう少し大きくなったら学費だって嵩む。とても耐えられそうにない」「そうね……でも、あの子も仕事が見つかれば少しずつでも家計を助けてくれるんじゃないかしら」と妻が言うものの、2人ともそれが確実ではないことを理解していました。

 

「親子だから助け合うのは当然。でも、このままだと私たちの生活が立ち行かなくなる」Aさんは心の中でそうつぶやきました。

「お金の話」をする勇気と、具体的な対策

ある日、ついにAさんは意を決して娘に話を切り出しました。「お前のために手を差し伸べるのは当たり前だと思っている。でもな、いまのままだと、俺たちの生活が破綻してしまうんだ」

 

その言葉に驚いた娘は、「ごめんなさい……こんなに負担をかけているとは思わなかった」と涙ぐみました。そこから、親子3人でしっかり話し合いをする時間が始まりました。

 

Aさん夫婦は、増加した家計の支出と今後の見通しを娘に説明し、娘も就職活動の進捗状況や、できる範囲での負担について具体的に話し合いました。話し合いのなかで、「今後、少しずつでも貯金を増やすためのプランを立てよう」「家計簿を見直して、無駄な出費を減らすことから始めよう」「元夫の養育費不払い問題を解消させよう」という意見が出て、親子の関係も以前より深まりました。

 

また、ファイナンシャルプランナーの助けを借りて家計を管理することや、家族全員が必要な負担を意識することが大切だと痛感しました。

 

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