(※写真はイメージです/PIXTA)

学級崩壊の従前のイメージは、教員に対して暴言を吐く、暴力を振るうといったイメージでしょう。しかし現在では、こうした「激しい崩壊」は減ってきていて、負の連鎖の継続によってゆるやかに崩壊へと向かう、そんな学級が少なくないようです。中には経験豊富なベテランの先生だからこそ心が折れてしまうこともあるのだとか。FPの内田英子氏が解説します。

「定額働かせ放題」の先生たち…労働環境の改善求める声

SNSでは「定額働かせ放題」や「教師のバトン」、「このままでは学校がもたない」といったハッシュタグの投稿が数多くなされ、教育現場の労働環境の改善が叫ばれています。

 

学級経営を行う先生が置かれている環境は近年激しく移り変わっています。こどもたちへの丁寧な対応を求める理想的な教育者像やICTやプログラミング教育、英語教育、金融教育の導入など。変化への受け入れを求められる一方、業務において明確な答えはなく、委託できる業務は少なく、削減できる業務は少ない。

 

くわえて、どんぶり勘定での勤怠管理では、金銭手当があったとしても命の危険を感じる可能性もあると考えます。

 

筆者はライフプランニングを専門とし、日頃金融教育に携わっていますが、その立場から思うことは、ライフプランニングは自らの人生を豊かにし、持続可能な経済社会を構築していくうえで求められることではあるが、ライフプランを描ける方は限られており、最低限自らの生命の安定的な維持欲求が満たされていない状況では難しく、持続可能と自身で思える生活が土台にあるからこそ描けるということです。

 

多様性社会、超高齢化社会へと進展するなか、自らの資産形成が求められています。資産形成にあたってはライフプランニングや個別の事情を踏まえた計画が求められていますが、日々の仕事や生活に心を亡くしてしまう状況では対応していくことは難しいでしょう。

 

SDGsに則り、誰ひとり取り残さず、国民全体に金融教育を推進していくといった側面からも、公教育に携わる方に関わらず労働環境の改善を行っていくことは重要であると考えます。
 


 

 

 

内田 英子

FPオフィスツクル代表

ファイナンシャルプランナー

 

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