(※写真はイメージです/PIXTA)

俳優の西田敏行さんが都内の自宅のベッドのうえで2024年10月27日に急逝しました。原因は虚血性心疾患と所属事務所より発表。最期まで俳優として現役を貫いた西田敏行さんは、2021年のTBS系ドラマ『俺の家の話』では認知症が進行し要介護となる「能楽」保持者の人間国宝を演じています。昨今は西田さんのように第一線で活躍する表現者に限らず、働くことを選択するシニアが増えています。本記事ではシニアと労働と介護について解説します。

西田敏行さんが急逝。最期まで俳優として話題作に出演

西田敏行さんは2001年に頸椎症性脊髄症2016年に頸椎亜脱臼、胆のう炎を発症しました。晩年は体調や足腰が万全ではなく、風前の灯火に身をすり減らしながら仕事を続けていたと伝えられています。車いすの役柄や椅子に座っている場面を演じ、74歳を迎えてもなお話題作への出演をつづけていました。

 

一昔前には、俳優のように定年のない職業(個人事業主)と、終身雇用の企業勤めをしている人とでは老後のライフプランが大きく乖離していました。しかし、近年は定年退職後に引退しない人が増え、働くシニアが増加しています。総務省の「労働力調査」によると、2023年の65歳以上の就業者数は914万人と過去最多を記録。20年間連続で増加をつづけています。

 

 

【図表1】65 歳以上の就業者数の推移

(参考:労働力調査「高齢者の就業」|総務省)

 

10年前の2013年には女性が247万人、男性が390万、計637万人でしたが、最新調査の2013年には、女性が380万人、男性が534万人、計914万人です。この10年間で65歳以上の就業者数は、女性が約54%、男性が約37%、男女計では約44%増加しています。

 

特筆すべきは平均寿命が86.4歳と世界一(※)寿命が長く、65歳以降のシニア人生が21年間ある女性のみに当てはまる傾向ではない点です。79.6歳と、平均寿命が女性と比べて6.8歳短く、65歳以降のシニア人生が15年間となる男性も上昇傾向にあります。新型コロナ拡大後も目立った減少は見られず、ゆるやかに上昇していることが見てとれます。

 

65歳以上人口における就業者の割合は25.2%となり、高齢者の4人に1人が仕事をする時代を迎えています。

「生活のため」「社会と関わりをもつため」働く理由はそれぞれ

背景には、インフレによる物価の上昇や年金の目減り傾向などを受け「老後の生活費を稼ぐため」や、「社会参加することによるQOLの向上」。「これまでのキャリアや資格、経験を活かした自己実現」等が挙げられます。

 

(※)令和5年簡易生命表の概況|厚生労働省)

(参考:主な年齢の平均余命|厚生労働省)

(参考:統計からみた我が国の高齢者 |総務省)

 

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