(※写真はイメージです/PIXTA)

内閣府発表の『令和6年版 高齢社会白書』、厚生労働省発表の『2022年 国民生活基礎調査の概況』などの調査結果とともに、世界で最も高齢化率の高い日本における「介護の実情」についてみていきます。

準備不足で直面すると介護者は悲惨な目に…

『令和6年版 高齢社会白書』によると、日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳。今後は男女ともに延びて、令和52年には男性85.89年、女性91.94年となることが見込まれています。

 

医療のレベルの高さや食習慣のバランスのよさなどを理由として、長い間世界一位の長寿国家であり続けている日本ではありますが、平均寿命から健康寿命を引いた期間は、介護を必要として生活していく平均期間になります。日本で生きる人々の多くが、いつか介護問題に直面することになるでしょう。

 

現在の介護保険制度では、40歳で介護保険への加入が義務付けられていることにより、要介護・支援状態にある「65歳以上の高齢者」と「40歳から64歳までの特定疾病の患者」が市区町村から要介護・要支援状態の認定を受けた場合、介護保険サービスを利用することが可能です。

 

要介護・要支援に該当しなくとも、度合いによっては介護予防事業を受けられることもあります。

 

介護保険サービスを利用した場合の自己負担額は、サービス料の原則1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)です。

 

『在宅介護のお金と負担 2016年調査(家計経済研究所)』によると、在宅介護で1ヵ月あたりにかかる費用は、全体平均で5.0万円、要介護5認定だと7.5万円。しかし全体の中央値は3.3万円であるので、介護費用の平均額は、高額な介護サービスを使う世帯から大きな影響を受けていることがわかります。

 

介護保険には限度額がありますが、収入や資産が少ない家庭を対象として負担限度額認定も設置されています。骨折などで歩くのが困難になったら、治療費だけでなく、車いすなど備品の手配・家のリフォームも検討されますし、老人ホームに入る場合は入居代や諸経費が当然発生するため、活用できる制度はぜひ活用したいところです。

 

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