老人ホームで亡くなった100歳の父から実家を相続し、そのまま放置。ある日届いた〈固定資産税の通知〉に76歳息子、思わず二度見「何かの間違いでは」【CFPが解説】

老人ホームで亡くなった100歳の父から実家を相続し、そのまま放置。ある日届いた〈固定資産税の通知〉に76歳息子、思わず二度見「何かの間違いでは」【CFPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

最近空き家問題が深刻になり、国を挙げて対策を取っています。また、相続によって自分名義となった家が管理不全空家や特定空家に指定されると多額の税金を払わなければなりません。本記事では、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、空き家になった家を相続する際の注意点について解説します。

空き家問題とは?

国土交通省の発表資料によると、空き家は2018年時点で約850万戸、住宅全体の約14%を占めています。そして、空き家は年々増え続け、さまざまな社会的問題を起こす原因になっています。

 

まず空き家があることにより、犯罪を誘発する可能性が高まります。空き家を拠点にして犯罪を行うケースが増えているのです。

 

また、なにも手入れをしないと家は朽ちてしまいます。そのため、ちょっとした揺れなどで崩壊し、近隣の家に被害をもたらす可能性もあります。さらに空き家にゴミが不法投棄されることにより、衛生悪化のリスクも高くなります。

空き家が生まれる背景

光男さん(76歳)は、妻(加代子さん)と首都圏の政令指定都市で暮らしています。両親は地方に住んでおり、子どもが小さいころは夏休みや正月などに必ず帰省していたものの、子どもが大きくなってからは帰る機会も少なくなりました。2人の娘は結婚し、それぞれ離れて暮らしています。

 

光男さんの両親である茂さんとちえさんは夫婦2人で地方に住んでいます。特別生活に困る様子もなかったことから、光男さんは特に気にせず過ごしていました。しかし、母親(ちえさん)が骨折して入院したとの連絡が入りました。

 

転んだ拍子に大腿骨を骨折し、その後は入院生活を余儀なくされたものの、父親(茂さん)は毎日病院にお見舞に行き、その帰りにスーパーで食事を買って帰るほか、家事も1人でできたことから、光男さんは月に2度ほど様子を見にいく程度でそれほど心配はしていませんでした。

 

しかし、ちえさんは寝たきりになったことからも認知症が進み、最終的には入院先の病院で亡くなってしまったのです。

 

さすがに親1人を田舎に置いておくわけにはいかないと思った光男さんは、自分が暮らしている市内にある介護付き老人ホームを探し、茂さんに入居するように勧めたのです。茂さんも同じ市内なら会う頻度も多くなり安心だと思い、入居を決意しました。

 

しかし、田舎にはちえさんのお墓もあるため、田舎の家はそのまま残しておくことに。

 

そして介護付き老人ホームに入居して10年経ったころ、茂さんは肺炎で亡くなってしまいました。茂さんはちょうど100歳になったときでした。

 

光男さんは1人息子だったため、茂さんの遺産はすべて光男さんが相続することになります。もちろんそのなかには田舎の家も含まれています。

 

光男さんはマンション暮らしですが、子どもたちも家を購入しているため、老後はマンションを売って田舎に帰ってもいいかと思っていました。

 

ところが加代子さんは義母だったちえさんと折り合いが悪かったこともあり、「あんな家には住みたくない! 住むならあなた1人で住んで! どうしてもというなら離婚する!」の一点張りです。

 

結局、相続した家は売ることにしたものの、田舎ということもありなかなか買い手が見つかりません。そうこうしているうちに自治体から「管理不全空家」の対象となった旨の通知が届いたのです。

 

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