企業にとって必要な人材はそれぞれ異なりますが、どんな企業にも社員に欠かせない「資質」はあるでしょう。本記事では、福山克義氏の著書『真剣にふざける 痛快に起業する「革命思考」』より一部を抜粋・再編集し、人材の採用基準について解説します。

面接に来た国立大学を首席で卒業した女性

おかげさまで当社のような地方の小さな会社にも、入社を希望する人がたくさん来てくれる。ただ、当社の採用基準は少し変わっているかもしれない。

 

先日も、こんなことがあった。なんと、某国立大学を首席で卒業したという女性が面接に来たのである。誰もがうらやむような経歴の彼女が、なぜ当社のような田舎の会社を?と、正直驚いた。

 

私は彼女に、「あなたは優秀だし、もっと活躍できる会社があるはずだ」と伝え、やん
わりと断った。しかし、彼女は「なぜダメなのですか!?」と食い下がるばかり。熱意は伝わったが、残念ながら採用を見送った。

 

なぜなら、どんなに知識や能力が飛び抜けていても、当社の求める素質とは違っていたからである。過去には、某有名企業の研究所出身の研究者も応募してきたが、彼もまた、当社には合わないと判断し、採用しなかった。

アマゾンの配達でやってきた若い男性を採用

これとは異なることも起こった。アマゾンで買った商品の配達で来た若い男性が、当社のオフィスを見て「うわあ!」と驚いていたのだ。ガードナーのオフィス内には、釣り具やモデルガンなどがたくさん飾ってあり、ほとんどおもちゃ箱である。一般的なオフィスとはまったく違う雰囲気なので驚くのも無理もない。

 

すると、その彼が数日後、再び当社を訪れ、「ここで働かせてください!」と頼みに来
たのである。話を聞いてみると、彼は、自分の恋人を追いかけて福岡に移住してきたものの、福岡で振られてしまい、今は配達のアルバイトをしているとのことだった。そうして話している間に何度も、「どうしたらこの会社に入れますか?」と聞いてくるのである。その熱意と素直さに心を打たれ、私は彼に5日間のアルバイトを提案した。

 

ちなみに当社では、5日間のアルバイト後、3ヵ月の試用期間を経て、正社員登用を検討する制度を設けている。彼も例に漏れず、まずはアルバイトからスタートしてもらった。

 

すると彼は、期待を裏切ることなく、一生懸命働いてくれた。「ちょっとアレ買ってきて」と頼むと、猛烈にダッシュして買ってきてくれる。その姿を見て、今では正社員として働いてもらっている。

 

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※ 本連載は、福山克義氏の著書の『真剣にふざける 痛快に起業する「革命思考」』(幻冬舎メディアコンサルティング)の一部を抜粋・再編集したものです。

真剣にふざける 痛快に起業する「革命思考」

真剣にふざける 痛快に起業する「革命思考」

福山 克義

幻冬舎メディアコンサルティング

本書では、ビジネスでは常識とされているマーケティング理論や経営計画の重要性を否定し、代わりに直感と行動力、そして何より「楽しむこと」の大切さを説いています。「真剣にふざける」という一見矛盾した概念は、実は深い洞…

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