「遺産4,100万円すべてを長女に」遺言を遺し他界した祖父…親が亡くなり代襲相続した「孫」が遺留分請求できる“妥当な金額”【弁護士が解説】

「遺産4,100万円すべてを長女に」遺言を遺し他界した祖父…親が亡くなり代襲相続した「孫」が遺留分請求できる“妥当な金額”【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

孫には原則として遺留分が遺言書をありません。しかし、例外的に遺留分の権利を有するケースも。孫へ相続が発生する場合、のちのちのトラブルを避けるためには、事前の準備が肝要です。本記事では、孫に遺留分があるケースについて、Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説します。

孫「遺留分侵害されている!」…気づいたときの対処法

孫が自身に遺留分があり、その遺留分が侵害されていることに気づいたらどのように対処すればよいのでしょうか? 最後に、遺留分侵害をされた場合の対処法を解説します。

 

できるだけ早期に弁護士へ相談する

被相続人が遺した遺言や生前贈与で遺留分が侵害されていることに気付いたら、早期に弁護士へ相談するべきでしょう。遺留分侵害額請求は自分で行うこともできますが、請求後に遺留分侵害額などについて交渉が必要となることが多いためです。自分で請求する場合、不利な内容で合意してしまうかもしれません。請求してしまってから後悔しないよう、あらかじめ弁護士へ相談することをおすすめします。

 

期限内に遺留分侵害額請求をする

弁護士へ相談したら、期限内に遺留分侵害額請求をします。遺留分侵害額請求の期限と請求方法は次のとおりです。

 

1.遺留分侵害額請求の期限

遺留分侵害額請求の期限は、被相続人の死亡と遺留分侵害の事実(遺言書の存在など)を知ってから1年間です(同1048条)。また、これらを知らないままであっても、被相続人の死亡から10年が経過するともはや遺留分侵害額請求をすることはできません。そのため、遺留分侵害額請求は、特に期限に注意して行う必要があります。

 

2.遺留分侵害額請求の方法

遺留分侵害額請求の方法について、法律上の制限はありません。しかし、実務上は、内容証明郵便で請求することが一般的です。なぜなら、内容証明郵便で請求することで、確かに期限内に請求したとの証拠が残るためです。口頭や普通郵便で請求した場合、相手方から「期限内には請求されていない」などと主張され、これを覆せないおそれが生じます。

 

なお、遺留分侵害額請求をしても、相手方が請求に応じないこともあります。また、遺留分侵害額についての意見が相違し、交渉がまとまらないこともあるでしょう。この場合は、裁判所に調停を申し立てて解決を図ります。調停とは、裁判所の調停委員が意見を調停し、合意をまとめるための手続きです。

 

調停でも意見がまとまらない場合は、訴訟へと移行します。訴訟では、裁判所が具体的な遺留分侵害額を認定します。裁判所が下した結論(判決)には、期限内に控訴の手続きを取らない限り、双方が従わなければなりません。

孫への相続、遺留分対策

遺留分と孫について、解説しました。孫は原則として相続人でないことから、遺留分の権利もありません。ただし、孫が被相続人の養子である場合や代襲して相続人となる場合には、例外的に遺留分の権利を有します。

 

孫が遺留分侵害をされてお困りの際や、財産を遺す立場として遺留分対策を講じたい場合は、弁護士へ相談することを勧めます。

 

 

堅田 勇気

Authense法律事務所

 

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