銀行が破綻した場合は?
住宅ローンはどうなる?
では、銀行が破綻した場合、住宅ローンはどうなるのでしょうか?
銀行が住宅ローン獲得のため、どちらも“低金利”をアピールしている現状ですね。住宅ローンの金利自体、各銀行で自由に設定できるため、他行より低金利を打ち出そうと躍起になっているのが現実です。
ローン残額はどうなる?
銀行が破綻しても、住宅ローンには期限の利益があります。
一部の例外を除き住宅ローンは、そのまま引受銀行に引き継がれることとなります。破綻したからといって完済を迫られることはないのです。
「期限の利益」とは?
期限が来るまで確保されている利益のことを指します。住宅ローンの場合、通常通りの返済をしているのであれば、最終返済期限まで銀行から一括返済を迫られることはありません。
住宅ローンは融資という契約であり、銀行との約束事などを決めた規定書(ルールブックといった意味)があります。
こうした規定に銀行が破綻した場合、一部あるいは全額返済することになっているといった条項はありません。これは期限の利益があるためです。
注意点として、通常通り返済ができていない場合は例外です。一部の例外を除きとお伝えしたのはこのことです。
長期間にわたり、返済を延滞している人のローンの場合、銀行が破綻すると他の方々と同じように引受銀行が引き受けてくれない可能性もあるので、注意が必要です。
銀行が破綻した場合、引受銀行において引受対象の債権(住宅ローン・事業資金融資など)をすべて引き受ける義務はないため、引受銀行の判断で取捨選択することとなります。表現としては、まともな融資(正常債権)は引き受けるが、不良債権は不要と主張可能なのです。もちろん、すべて引受銀行の希望通りになるとは限りません。実際、破綻銀行側や監督官庁などでも調整されることになります。
原則として不良債権や、返済が遅れがちな融資は引受銀行が拒否し、債権回収会社(サービサーなどと呼ばれる)に譲渡される場合もあります。
したがって、返済が遅れている住宅ローンは銀行破綻の場合、他の銀行でなく回収会社に移されてしまう可能性もある点は、要注意です。