ビーチでの写真撮影に関する処罰事例
境外のために国家秘密を偵察し、不法に提供した事件
2019年7月、結婚写真のカメラマンだったAは、WeChatである海外の女性と知り合った。
その女性の指示のもと、2019年7月から翌年2020年5月までの間、Aは軍港近くのビーチで結婚写真を撮影する機会を利用して、専門の撮影機材や携帯電話などで、軍港周辺に停泊する軍艦を遠くから撮影した。
また、(自分が軍艦等の撮影をしていることの)発覚を避けるため、他人をだましたり、金銭で誘惑したりしてこの軍港付近の湾岸の全景を撮影するよう依頼した。
Aは週2~3回の頻度で、合計90回以上撮影したため、軍港や軍艦に関する写真は384枚にものぼった。撮影した写真はクラウドストレージやグループ共有などの方法で海外にいる相手方に送信し、相手方から4万元(約88万円)あまりの報酬を受け取った。
(国家安全機関が)これらの写真を鑑定したところ、事件の関連写真には絶対秘密級の国家秘密にかかわるものが3件、機密級の国家秘密にかかわるものが2件あった。
最終的に、Aは境外の人員等のために国家秘密を偵察し、不法に境外に提供した罪を犯したことにより、有期懲役14年、政治的権利剥奪5年の刑に処せられ、違法に取得した個人財産4万元(約88万円)も没収された。
アドバイス:
- 海の近くで写真撮影をすると、背景に軍事施設付近の景色が写り込んでしまうことがあり、スパイ行為と評価される可能性があるため危険です。
参考:「检察机关依法惩治危害国家安全犯罪典型案例」