(※写真はイメージです/PIXTA)

お金に苦労しない人生にするために、20代でできることは何でしょうか? ファイナンシャルプランナーの中村芳子氏は著書『【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと』で、お金の基本ルールを知ることだと主張しています。一体どんなルールでしょうか? 本書から詳しく紹介します。

フツーの収入でも、共働きで投資をしたら、1億円貯められる!

[パターン1]いちばんおすすめ、共働きで1億円

25歳で貯金ゼロ。夢がいっぱいというだけではお金は貯まらないが、次の基本ルールを実行すれば必ず貯まる。希望がふくらむシミュレーションをお届けしよう。


・ポイント1:手取り収入の15%を貯める
基本は手取り収入の15%を貯め続けること。住まいや子どもの教育にお金をかけすぎないこと。これだけ守れば、無理なく1億円貯められる。


まず今日から、手取り収入の15%を貯め始める。これは買い物や旅行に使ってはいけない「将来のための貯金」だ。近々使うお金は別に取り分ける。貯金が50万円を超えたら投資をスタート。NISA で投資信託積立てだ。このタイミングを逃さない。29歳の終わりには265万円貯まっている(年収250万円の25歳から収入15%を貯めたとき・年5%昇給)。


・ポイント2:結婚費用に貯金を使い果たさない
30歳で結婚! 相手は同い年で、貯金も年収も同じと仮定しよう。女性は自分より高収入の男性を望みがちだが、そうすると結婚は遠のく。同じくらいがわかりあえて、助け合ってやっていける。結婚資金はそれぞれ100万円ずつ出す。


親からの援助や祝い金もあるだろうから、その範囲で式をして、旅行に行って、住まいを借りよう。新生活は2人合わせて貯金330万円からのスタート。結婚式や新居にお金をかけすぎないのがポイントだ(ワナ:結婚雑誌を見るとお金をかけすぎることになる。要注意)。


・ポイント3:結婚後は3割貯金に
結婚したら子どもが生まれるまでが貯めどき! それぞれ手取りの3割を貯めよう。それでも共働きだから優雅な生活がおくれる。海外旅行にもコンサートにも行ける。2人だけの時間をたっぷり楽しもう。


・ポイント4:子どもが生まれたら育児休業 仕事を続ける
33歳と36歳で赤ちゃん誕生。おめでとう、おめでとう、おめでとう。子どもは宝! 子育てにはお金がかかって大変かな、と恐れなくていい。出産費用、育児休業手当、保育費用の補助、高校までの学費無料など公的なサポートがたくさん。


一昔前に比べて、費用面でも制度面でも楽に子育てができる。子どもとの時間、家族一緒の時間はかけがえがない。大切に大切に。子が生まれた年は、母親と父親がそれぞれ半年ずつ計1年の育児休業を。休業中の収入(手当)は前年の67%。この年は貯金は1割に。仕事に復帰したら15%にもどす。


・ポイント5:自宅の購入は40歳前後がベスト ローンは年収の4倍まで
マイホームは急いで買うと、物件選びでも資金プランでも失敗しがち。上の子が小学校に入る頃がいい。シミュレーションでは、39歳で5500万円の中古物件を購入する。頭金1000万円。マンションでも戸建てでも中古がリーズナブルだ。リフォーム予算を400万円と諸費用300万円。これで同予算の新築より価値の高いものが買えるはず。


住宅ローンは年収の4倍までが理想。金利が低いいま(2024年現在)なら、5倍までいいだろう。それ以上になるとローンの負担が大きくなって人生を楽しめない。くれぐれも借りすぎないこと。マンションでも戸建てでも、自分たちの暮らし方に合う良い物件を、適切な値段で買えば損をすることはない。


住宅ローンは65歳までに返し終える。5200万円を26年で返済するなら、金利1%で返済額は年227万円。手取りの25%以下だから、これからの子育ても余裕。65歳で返し終わるから、老後プランも大丈夫だ。すばらしい。


・ポイント6:教育費と老後資金は、貯金+投資
自宅を買った。子どもは小学校。気になってくるのは子の教育資金だ。でも心配無用。収入の15%貯金を続けていれば、そこから大学の費用は十分出せる。大学の費用(貯金から出す分)として子ひとり500万円を見積もった。


子が大学に入る頃、50歳になるとそろそろ自分の老後が気になってくるが、これも心配いらない。15%貯金を続けていれば大丈夫。ただし貯めるだけでは不十分。20代から始めたNISA での投資信託積立てを続けよう。夫婦とも30歳から月3万円を積み立てたら、50歳には元本分で720万円×2に、投資が順調なら1.5倍の1000万円×2になっていても不思議じゃない。


貯金とNISAから子の教育費を出した後も、そのまま積み立て続ければ、老後資金になる。簡単だ。40歳からこれに、iDeCo= 個人型確定拠出年金をプラスすれば、非課税の恩恵を受けられる。どちらも1回設定すれば、自動で貯めて増やしてくれる。楽ちんだ。


・ポイント7:子が独立したら貯金を増やす 退職金をもらったら1億円
50代は子の教育費がかかるけど、大学は4年で終わる。大学院まで進んでも、十分応援できる貯金がある。昇給は40歳まで年5%、50歳まで3%、50歳からはゼロ、60歳からの収入は前年の7割で計上した。現実は、転職したり、不景気で給料が減ったり、好業績でボーナスが増えたり、いろいろだろう。


15%貯蓄を続ければいい。子どもが独立したら貯金の割合を増やす。1人独立したら3割に、もう1人独立したら4割に。60歳から収入が7割に減ったら15%でOK。夫婦で退職金を1500万円ずつ貰うと、貯金残高は1億円を超える。おめでとう! お疲れさま。公的年金を受け取る年齢だ。


でも65歳ってまだまだ元気。それまでの経験と興味を生かして、次の人生を生きていこうぞ。手元の1億円、夫婦で世界一周旅行をしてから、起業資金にしてもいいかもしれない。人生、あと20年以上あるからね。それから、実は老後のために1億円貯める必要はない。使い切れない。子どもが結婚する時や家を買う時に、300万円、1000万円ずつ援助しても、老後は安泰だ。

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※本連載は、中村芳子氏による著書『【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・再編集したものです。

【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと

【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと

中村 芳子

ダイヤモンド社

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