(※写真はイメージです/PIXTA)

お金に苦労しない人生にするために、20代でできることは何でしょうか? ファイナンシャルプランナーの中村芳子氏は著書『【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと』で、お金の基本ルールを知ることだと主張しています。一体どんなルールでしょうか? 本書から詳しく紹介します。

[パターン3]片働き(専業主婦)コースは6400万円

金持ちになるには共働きが理想だが、確固たる信念で「私は専業主婦だ」と決めている女性、それを支持する男性もいるので、片働きコースも考えてみよう。スタートは同じ。25歳から手取りの15%を貯め始め、30歳で結婚。結婚には100万円ずつを出し合い、33歳で子どもが生まれるまでは共働きを続け、この間は手取りの30%を貯める。


子どもが生まれたら妻は仕事を辞める。その後は収入の15%を貯めつづける。39歳で家を買う。無理のない予算は3500万円だが、3200万円の中古物件を買って300万円でリフォームするといい。諸費用が300万円。


同じ金額でもっと価値の高い物件が買える。時間をかけていい中古を探そう。郊外に行けば戸建ても手に入るだろう。住宅ローンは3000万円。税込み年収の約5倍。これが低金利時の上限(ふつうは4倍まで)。必ず守ってほしい。返済は年131万円(金利1%期間26年)。


当初は収入の約25%だが、収入が上がるにつれて楽になる。ローンを借りすぎると、生活が苦しくなり、マネープランがボロボロになるので注意すること。 下の子が中学に入ったら、妻は年収100万円のパートを始め65歳まで働く。パート収入がある間は貯金の割合を2割に増やそう。妻が働くことで、子の大学進学も教育ローンを借りずにすむ。妻の力、偉大なり。


このケースでは夫の手取り収入を、税金や手当を加味して、共働き・シングルよりやや高めに設定した。65歳で1500 万円の退職金を受け取れば6400万円に。このほかに3200万円で買ったマンションがローンゼロで残っている。パチパチパチ。


以前、政府が「老後には2000万円必要」とアナウンスして議論になった(これが当てはまる人は少ない)が、その3倍以上貯められるのだから安心だ。退職後も夫婦でゆとりある暮らしができる。これだけ貯金ができるのだから、子どもが結婚する・家を買うという時は、潤沢に援助してやることもできる。よかった、よかった。


共働きのマイホーム予算が5900万円のところ、片働きは予算3500万円(いずれもリフォーム費込み)、という違いはあるが、ふたりの子の大学教育費は同額準備できる。悪くない。


ポイントは収入の一定割合の貯金をずっと続けること。住宅ローンの限度(ローンは年収の5倍まで)を守ること、塾や習い事など子の教育にお金をかけすぎないこと。20代でNISAで投資を始め、40歳からiDeCoを加えて投資を続けよう。

 

中村芳子
ファイナンシャルプランナー

※本連載は、中村芳子氏による著書『【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・再編集したものです。

【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと

【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと

中村 芳子

ダイヤモンド社

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