(※写真はイメージです/PIXTA)

高卒と大卒では、生涯年収の差は数千万単位に開く。多少無理をしてでも、子どもを大学に行かせるため学資ローンを組んだり、奨学金制度を利用させたりする親たち。しかし結局は、その負債を子どもが支払うという事実を、忘れてはいないだろうか。本記事では若者を苦しめる「奨学金」の残酷さに迫っていく。

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    都内1人暮らしの若者を苦しめる「奨学金」の重圧

    高卒と大卒では初任給が4万円以上変わり、生涯年収ともなれば4,500万円以上の差が開く(厚生労働省調査より)。それならば、無理をしてでも大学に行かせてあげたいと考える親も多いことだろう。

     

    一方で、子どものためを思って大学を行かせたはずが、その「親心」に苦しんでいる人がいるのも事実。原因は悪名高い「奨学金」制度にある。

     

    昨年度大学を卒業したAさん。奨学金制度を利用し某有名大学に進学、社会人になるとともに都内で1人暮らしを始め、システムエンジニアとして新社会人のスタートを切った。

     

    「毎月2万円、15年間かけて返済していく予定です。ボーナスが入ったら、それも返済に充てるつもりなので、実際はもっと短くなると思いますが」

     

    「月2万円なら返せなくもないだろう」と考えるのは尚早だ。「令和5年 賃金構造基本統計調査」によると、新卒・大卒の初任給は平均23万7,300円。近年、額面給与は上がっているものの、手取りはなかなか上がっていかない現実がある。

     

    都内周辺の1人暮らしの家賃相場は、1Kなら7万~8万円ほど。家賃補助が出るならまだしも、全額負担しなければならない新社会人にとっては、毎月2万の支出はあまりに大きすぎる。長期的な資産形成なんて、とてもできたものではない。「大学時代に貯金をしてこなかったことを後悔している。病気や事故で、急なお金が必要になったら本当にまずい」。そう嘆く同氏は、300万円以上もの負債を背負っているわけだ。

     

    ちなみに、奨学金返済をしないと、当然のことながら延滞金が発生する。延滞していたら、勤務先にも連絡が来るし、保証人に請求がいくケースもある。当然のことながら「借り逃げ」は許されない。

     

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    ※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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