サラリーマンのままではお金持ちになれない理由
法人(資本家)は節税できますが、個人(サラリーマン)は節税できません。まずはそこから説明しましょう。
たとえば、課税所得が330万円超の人の実質的な税負担率は60%です。従業員が負担する社会保険料は15%だと思われていますが、労使折半する建前で給料を逆算するので、実質負担は30%です。それゆえ実質的な税率は、所得税20%+住民税10%+社会保険30%=60%になります(わかりやすく控除等を除きます)。
手取り400万円のサラリーマンは本来、1,000万円の収入があったということ。給与明細に載らないので気づきません。財務省によると2020〜2023年の潜在的国民負担率(税金+社会保険料)の平均値は6割弱でしたが、なるほど、つじつまが合います。
サラリーマンと好対照なのが法人(資本家)。日本の法人の99%以上を占める中小法人の実効税率は約20%なので、1,000万円の収入があれば、手取りは約800万円です。稼ぎが同じ1,000万円でも、資本家は800万円、サラリーマンは400万円ですから、2倍も差がつくのです。
サラリーマンから見れば理不尽ですが、資本主義社会とは資本家のための社会なので、社会の仕組みも法律も資本家に有利になっていて、簡単には変えられません。どうりで、「資本による富のほうが、労働による富よりも増える」というトマ・ピケティの不等式「r>g」が成り立つわけです。
社会や法律を変えられない以上、自分が変わるしかない。どう変わるのか? 自分が資本家に変わればいいのです。「資本家になれるのはお金持ちだけ」というのが常識なので、「自分にはムリ!」と思われるかもしれません。でも、そんな常識は捨て去ってください。なぜなら、お金持ちが資本家になるのではなく、資本家がお金持ちになるからです。