8月の民間雇用者数も、3年7ヵ月ぶりの低水準
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が公表した2024年8⽉の⺠間雇⽤者数は前⽉差+9.9万⼈(7⽉︓同+11.1万⼈)と市場予想の同+14.5万⼈を下回り、2021年1⽉以来、およそ3年7ヵ月ぶりの低⽔準となりました(図表9)。
四半期平均でみると、2023年10~12⽉期の前期差+12.4万⼈から2024年1~3⽉期が同+16.6万⼈、4~6⽉期が同+16.7万⼈と加速したあと、7~8⽉の4~6⽉対⽐は+10.5万⼈と⼤幅に増勢が鈍化しています。
ADP雇⽤統計の結果とは対照的に、6⽇に⽶労働省が公表する8⽉の雇⽤統計では、⾮農業部⾨雇⽤者数が前⽉差+16.5万⼈と、7⽉(同+11.4万⼈)から伸びが⾼まることが予想されています(図表10)。
⽶景気の後退への懸念が⾼まっているだけに、8⽉の雇⽤統計がそうした懸念を払しょくできるのか注⽬されます。
全⽶供給管理協会(ISM)が公表した、2024年8⽉のISM⾮製造業景況感指数は51.5と、7⽉及び市場予想(ともに51.4)を⼩幅ながら上回り、景気拡⼤・縮⼩の分かれ⽬である50(以下、中⽴⽔準)を2ヵ月連続で超えました(図表11)。
項⽬別では、新規受注指数が53.0(7⽉︓52.4)、企業活動指数が53.3(7⽉︓54.5)と中⽴⽔準を超え、サービス需要は依然底堅さを維持していることが⽰唆されました(図表12)。
7⽉に続き、8⽉もISM製造業景況感指数の低調さを背景とした、⽶景気の先⾏きに対する悲観的な⾒⽅を、ISM⾮製造業の堅調さが緩和する格好となりました。もっとも、ISMサーベイにおいても、労働市場の先⾏きに対する警戒感も強まっている状況が⾒て取れます。
製造業の雇⽤指数は、7⽉の43.4から8⽉に46.0へ上昇したものの、依然中⽴⽔準を下回っています。また、⾮製造業の雇⽤指数は6⽉の46.1から7⽉に51.1へ上昇し、中⽴⽔準を回復したものの、8⽉に50.2へ低下しており、均してみれば、労働市場は軟化⽅向に進んでいます。
現状では、労働市場の急速な悪化は回避されているものの、企業の雇⽤に対する⾒⽅が慎重化している点が、8⽉の雇⽤統計にどのように顕在化するか注⽬されます。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…9月第1週の「米国経済」の動き』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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