(画像はイメージです/PIXTA)

不安定ながらも円高傾向が続く値動きのなか、「円安トレンド」の転換が予感される現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

8月の民間雇用者数も、3年7ヵ月ぶりの低水準

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が公表した2024年8⽉の⺠間雇⽤者数は前⽉差+9.9万⼈(7⽉︓同+11.1万⼈)と市場予想の同+14.5万⼈を下回り、2021年1⽉以来、およそ3年7ヵ月ぶりの低⽔準となりました(図表9)。

 

[図表9]⽶雇⽤者数の推移
[図表9]⽶雇⽤者数の推移

 

四半期平均でみると、2023年10~12⽉期の前期差+12.4万⼈から2024年1~3⽉期が同+16.6万⼈、4~6⽉期が同+16.7万⼈と加速したあと、7~8⽉の4~6⽉対⽐は+10.5万⼈と⼤幅に増勢が鈍化しています。

 

ADP雇⽤統計の結果とは対照的に、6⽇に⽶労働省が公表する8⽉の雇⽤統計では、⾮農業部⾨雇⽤者数が前⽉差+16.5万⼈と、7⽉(同+11.4万⼈)から伸びが⾼まることが予想されています(図表10)。

 

[図表10]金融市場の動向
[図表10]金融市場の動向

 

⽶景気の後退への懸念が⾼まっているだけに、8⽉の雇⽤統計がそうした懸念を払しょくできるのか注⽬されます。

 

全⽶供給管理協会(ISM)が公表した、2024年8⽉のISM⾮製造業景況感指数は51.5と、7⽉及び市場予想(ともに51.4)を⼩幅ながら上回り、景気拡⼤・縮⼩の分かれ⽬である50(以下、中⽴⽔準)を2ヵ月連続で超えました(図表11)。

 

[図表11]ISM景況感指数の推移
[図表11]ISM景況感指数の推移

 

項⽬別では、新規受注指数が53.0(7⽉︓52.4)、企業活動指数が53.3(7⽉︓54.5)と中⽴⽔準を超え、サービス需要は依然底堅さを維持していることが⽰唆されました(図表12)。

 

[図表12]ISM景況感指数の主な調査項目
[図表12]ISM景況感指数の主な調査項目

 

7⽉に続き、8⽉もISM製造業景況感指数の低調さを背景とした、⽶景気の先⾏きに対する悲観的な⾒⽅を、ISM⾮製造業の堅調さが緩和する格好となりました。もっとも、ISMサーベイにおいても、労働市場の先⾏きに対する警戒感も強まっている状況が⾒て取れます。

 

製造業の雇⽤指数は、7⽉の43.4から8⽉に46.0へ上昇したものの、依然中⽴⽔準を下回っています。また、⾮製造業の雇⽤指数は6⽉の46.1から7⽉に51.1へ上昇し、中⽴⽔準を回復したものの、8⽉に50.2へ低下しており、均してみれば、労働市場は軟化⽅向に進んでいます。

 

現状では、労働市場の急速な悪化は回避されているものの、企業の雇⽤に対する⾒⽅が慎重化している点が、8⽉の雇⽤統計にどのように顕在化するか注⽬されます。

 

 

東京海上アセットマネジメント

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…9月第1週の「米国経済」の動き』を参照)。

※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。

※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。

 

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※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー(9/2〜6)~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
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