回復基調だった⽇本株は再び調整
9⽉4⽇の⽇本株式市場は、TOPIX(東証株価指数)が2,633.49ポイント(騰落率︓▲3.7%)、⽇経平均株価は37,047.61円(▲4.2%)と、ともにマイナスとなりました。(図表1)。
8⽉2⽇から5⽇の2営業⽇で、17%を超える⼤幅な下落を経験したあとは、回復基調だった⽇本株式市場ですが、1ヵ⽉を経て、再び調整する結果となりました。
⽶半導体関連株の下落と低調な⽶経済指標の発表等から下落
⽇本株式市場が再び⼤きく下落した背景として、主に以下の3点が考えられます。
①⽶司法省が反トラスト法による提訴を視野に⽶半導体メーカーのエヌビディアの強制調査に乗り出したと報じられるなど、半導体関連株への警戒感が強まったこと(図表2)
②8⽉のISM製造業景況感指数が47.2と、前⽉の46.8からは改善したものの、引き続き景気拡⼤・縮⼩の分かれ⽬となる50を下回った(図表3)ことで、今週発表される⽶雇⽤統計など、⽶国景気動向を慎重に⾒極めたいとの思惑が広がったことや、リスク回避の流れのなかで、円⾼⽶ドル安が進展したこと
③⾃⺠党総裁選の有⼒候補者の⽯破⽒が⾦融所得の強化を主張するなど、⾃⺠党総裁選において、⾦融所得課税強化に焦点が当たるのではないかとの懸念が出たこと
①~③についての弊社の現状の⾒⽅は、以下の通りです。
①⽶司法省の動向を⾒極める必要があると考えますが、エヌビディア社製品の性能向上が著しいことや、AI半導体に対する需要も⾮常に強いことから、⽶司法省の動きにより、同社業績が⼤幅に落ち込むことは現状では想定しがたいと考えます。
②ISM製造業景況感指数は、新規受注の悪化などもあり、予想を下回ったものの、前⽉⽐では⼩幅に改善しており、⽶景気の急減速を⽰唆するものではないと考えます。
また、⽶国の景気減速がより鮮明になれば、FRB(⽶連邦準備制度理事会)は迅速に利下げを実施することが想定され、利下げにより、現在の⾼い⾦利⽔準により抑制されていた住宅などの⾦利敏感セクターの需要改善が⾒込まれるなど、過度に悲観的になる必要はないと考えています。
③⾃⺠党総裁選の告⽰は9⽉12⽇であり、告⽰後に候補者による討論会などが⾏われ、政策の⽅向性が⾒えてくると思われますが、⾦融所得課税強化が⾏われるかどうかは、今後の政治情勢次第と考えます。