中古住宅購入時のチェックポイント
中古住宅を購入する際には建物の資産価値を知っておくことが大切です。
建物はいわば消費財で、一般的にその資産価値は、新築時が最も高く、築5年以降で急激に下がり、その後緩やかに下がり続け、最終的には取り壊し費用の分だけマイナスになります。新築から大きく価値が下がる築5年以降、住宅の性能面でそこまで衰えていない築10年前後の物件だと、資産価値の下落リスクからも買い手に有利でしょう。
マンションの資産価値は立地によるところが大きいため、利便性の高い場所の新築マンションは値が張ります。しかし、中古マンションなら建物部分の経年劣化により値下がりするため、手が届きやすくなります。
中古マンション購入時にチェックすべきなのは、長期修繕計画と管理組合です。長期修繕計画書は、分譲マンションの性能を維持し老朽化を防止するために管理組合が作成しています。25年以上の長期的な修繕計画が策定されているか、大規模修繕時点の修繕予定費より修繕積立金の累計額が多くなっているかを確認してください。
そして、エントランスや廊下、ゴミ置き場など共用部分がきれいに保たれているかどうかで住民のモラルの程度もわかります。管理組合の理事会の開催頻度や理事の選出方法も把握すること。理事会が何年も開催されず、長年理事長を歴任している場合、修繕積立金の横領が発生しやすくなります。
中古戸建ては耐震・耐火が要注意!
中古マンション同様、新築に比べて中古戸建ても築年数を重ねるにつれて価格が安くなります。しかし、戸建ては木造建築が多く、マンションよりも耐震、耐火などの強度ははるかに劣ります。建物の消費財としての資産価値を、より詳しく見ていく必要があります。
2000年4月から「住宅品質確保促進法」が施行されました。この法律は、施工会社や不動産会社に対し10年保証を義務付ける、住宅の「性能表示制度」を作る、トラブル発生時などに対応する「紛争処理機関」を設けるなどが定められています。
10年間の保証が付いていれば、10年以内は何か不具合が出ても保証されますし、10年以降になっても何も問題がなければ、建物の性能に対してはある程度の安心ができます。
1981年6月以降の新耐震基準に対応していない建物であれば、耐震強度に不安が残ります。ただし、古い建物であっても今の耐震基準に適合していれば、「耐震基準適合証明書」を取得できる場合もあります。
耐震補強工事を行う場合でも、自治体から補助金が出たり、住宅ローンをフラット35で借りる際に利率を引き下げることも可能な場合があります。
条件や証明書があっても不安な場合は、第三者の専門家による住宅診断を受けることがオススメです。住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき場所や時期、費用などについてアドバイスをもらえます。