(※写真はイメージです/PIXTA)

長寿大国の日本では“長生きリスク”という言葉も生まれるほど、老後の期間が延びています。定年後は現役時代のような収入が望めない以上、家計の変化には細心の注意を払わなければなりません。しかし、それでも、老後のマネープランが崩れてしまう原因は思わぬところに潜んでいるものです。具体的な失敗事例をもとに、株式会社よこはまライフプランニング代表取締役の五十嵐義典CFPが解説します。

投資初心者が「損をしない」ための鉄則

すでに2,000万円もの金額を一度に投資してしまった孝雄さんですが、そもそも投資は余剰資金を使うことが鉄則です。退職後の生活で今後、まとまった現金が必要になることもあるでしょう。基準価額が暴落したタイミングでまとまった現金が必要になると、投信を売却せざるをえなくなり、売却によって損が確定してしまいます。

 

幸い孝雄さんは現時点で急な支出の予定はなく、貯蓄としては他に1,500万円程度残しています。また、毎月の収入としては孝雄さんとその奥さんの年金収入も見込める状況です。


とはいえ、いざという時のために現金預金でも備えておくことが大切です。

 

投資そのものではなく「投資の方法」が間違っていた

孝雄さんは「投資そのものがいけないのではなく、自分のやり方が間違っていた。投資の仕組みをよく理解していなかったんだな」「まだまだ基準価額は下がったままですが、慌てず、辛抱強く様子を見てみます」「急な支出が必要になるときに備え、年金収入でやりくりしながら現金や預金も確保しておきます」と納得しました。

 

その後、再び日々の基準価額を見るようになった孝雄さん。その上げ下げに日々一喜一憂せず、その動きを確認するようになりました。さらに、当該ファンドの目論見書も読むようにして、今は冷静に将来の売却のタイミングを窺っています。

 

もし余裕が出てきて、今後新たに投資信託を購入することになった場合は、1つのファンドや同じ種類のファンドに集中させず、リスクの低いファンドも含め、投資対象の異なるファンドにも分散して購入することもポイントとなるでしょう。

 

 

五十嵐 義典

株式会社よこはまライフプランニング代表取締役

特定社会保険労務士/CFPⓇ認定者

 

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※個人情報保護のため、登場人物の情報は一部変更しています。

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