画像:「EconomyNext」より

スリランカの2024年上半期の予算状況は、歳入の増加と経常支出の減少により、予算赤字が52%減少した。二国間債務再編の進展や金利引き下げで財政は改善しているが、依然として懸念は残っているという。スリランカの政治・経済・金融に関する情報を中心に取り扱う、スリランカ発ローカルメディア『EconomyNext』より翻訳・編集してお伝えする。

通貨崩壊が頻発するスリランカ

スリランカは近年、通貨崩壊が頻発している。この問題の一因として、批評家たちはスリランカが採用している経済政策に着目している。具体的には、スリランカは柔軟なインフレ目標(変動為替レートなしでインフレをコントロールしようとする政策)と潜在的生産量目標(経済成長のために紙幣を増刷する政策)を採用しており、これが通貨崩壊を招いていると指摘されている。その結果、名目金利が慢性的に高くなっているという。

 

さらに、新しい通貨法では、高インフレを目指すことが合法化され、経済安定の義務が廃止された。これにより、矛盾する通貨体制が維持されており、経済の安定性が損なわれている。

過去に行われた極端な経済政策とその結果

スリランカは過去に、減税や銀行間市場での過剰な流動性を伴う金利引き下げなどの極端なマクロ経済政策を実施した。その結果、2022年には対外債務不履行に陥り、安定化危機(内戦終結後4回目)が発生した。この危機では、資本消費税を含む税金が引き上げられ、優秀な人材の流出(頭脳流出)を引き起こした。

 

また、スリランカの予算は1978年のIMF第2次改正条項や1971年の米ドル崩壊の影響で、信頼できる資金拠出先を失った。これにより、1980年代初めから予算は混乱し始めた。

 

当時、スリランカの収益は国内総生産の20%を超えており、実質為替レートと名目為替レートの操作が行われた。しかし、クリーンなフロートなしでマネーサプライの目標を設定する試みや金利設定の誤りが問題を悪化させた。

課題と教訓。経済アナリストからの警告

スリランカの現在の高インフレ目標は、実質的にペッグ制で準備金を蓄えようとする試みが通貨危機を引き起こしている。インフレと成長の間にはトレードオフがあるとされており、これが経済不安定の一因となっている。

 

経済アナリストたちは、スリランカの運営枠組みに深刻な欠陥があり、民間信用が回復すると金融システムが不安定になり、債務再編によるデフォルトのリスクが高まると警告している。これに対処するためには、より一貫した経済政策と安定した通貨体制の確立が求められる。

 

 

 

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この記事は、THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)が提携するスリランカのメディア『EconomyNext』が2024年8月26日に掲載した記事「Sri Lanka budget deficit down 52-pct in June, taxes up 42-pct」を翻訳・編集したものです。

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