金融市場は落ち着いてきたが…いまこそ「資産の分散」が求められる理由【マクロストラテジストの見解】

金融市場は落ち着いてきたが…いまこそ「資産の分散」が求められる理由【マクロストラテジストの見解】
(※写真はイメージです/PIXTA)

金融市場が落ち着きを取り戻しつつあるなかで、あらためて自身の資産運用のスタイルを見直す必要があるといいます。弱気相場が始まったとき怖い思いをしないためにも、分散投資を実行するという方法があります。フィデリティ・インスティテュートの首席研究員である重見吉徳マクロストラテジストが、分散投資について詳しく解説します。

金融市場は落ち着いてきたが…いまこそ「分散投資」を

金融市場は、落ち着きを取り戻しているようにみえます。

 

出所:LSEG、フィデリティ・インスティテュート。 (注)データ期間:2023年1月1日~2024年8月16日、日次。
[図表1]ドル円とフィラデルフィア半導体株指数 出所:LSEG、フィデリティ・インスティテュート

 

こうなると、「継続投資でよかった……」という話になりがちです。そして、「なにごともなかったか」のように過ごしがちです。そうではありません。

 

いま自問すべきは、「仮に今回、弱気相場が始まっていたとしても、継続投資をできていただろうか」です。

 

この問いに「Yes!」と自信をもって答えられないとすれば、①今回は単なる「結果オーライ」あるいは、②今回は「怖い思いをした」ということでしょう。

 

では、今回「怖い思いをした」理由は何でしょうか。考えられる理由のひとつは、資産の十分な分散ができていなかったからでしょう。いまは「アクション・ポイント」です。

 

分散投資は「怖い思い」をしたくない投資家におすすめ

次に同じ状況になったときに「怖い思い」をしたくない場合、ひとつの方法は、資産の分散を実行するということです。

 

[図表2]は、先進国株式、先進国リート、米国国債、米国ハイ・イールド債券、商品(コモディティ)の5つの資産に、20%ずつ等分投資をしたときの年間リターン(円ベース)を示したものです。

 

2008年をのぞくと、下落する年でも下落率はせいぜい10%前後ですから、「痛み」は小さく、資産運用を十分に続けられる程度です。

 

補足①:「いまが2008年か?」と問われれば、2008年初め以降、あちこちの金融機関を救済し、もはや救済する「政治資本」がなくなった2008年9月の状況とは(厳密には「少なくとも、いまはまだ」)異なるように思えます。

 

補足②:[図表1]は例示目的であり、これらの資産の等分分散を推奨するものではありません。ポートフォリオは、みなさんそれぞれの要求リターンvs.許容リスクを決めた上で、それらを実現しうるものを作る必要があります。

 

いずれにせよ、楽観しすぎず、悲観しすぎず、いまは前向きに、資産の十分な分散を心がけましょう。特に、資産運用の期間がさほど長くなく、時間の分散がしづらい方はそうです。
 

出所:LSEG、フィデリティ・インスティテュート
[図表2]『先進国株式+先進国リート+米国国債+米国ハイ・イールド債券+商品・コモディティ』の等分ポートフォリオのトータルリターン 出所:LSEG、フィデリティ・インスティテュート

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重見 吉徳

フィデリティ・インスティテュート

首席研究員/マクロストラテジスト

 

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