(※写真はイメージです/PIXTA)

酷暑や台風の影響により、野菜の高騰が続き、日常通うスーパーや飲食店で値上げを実感することも多いでしょう。さらに、レジャー施設や宿泊費、交通運賃の値上げも畳みかけ、物価高が夏休みの家計を圧迫しています。なかでも、可愛い孫たちが遊びにくる、年金収入頼りの高齢者へ影響は顕著なもので……。本記事では、金沢さん(仮名)の事例とともに、老後のマネープランについてFP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。

値上がりが続くディズニーランドの入園料

ディズニーランドの入園料はオープン以来ずっと上昇を続けています。30年ほど前と比較すると6,000円以上値上がりし、大人1名1万円を超えるほどになりました。

 

もう開園してから40年以上も経つテーマパークですが、来場者を飽きさせることなく、新しいアトラクションや季節ごとのイベントを仕掛け、入園料は上がり続けているのに来園者数もほぼ右肩上がりです。

 

さらに、昼食や夕食も基本的には園内で済ませることになりますが、一般的な飲食店と比較し価格はやや高めに設定してあり、家族で連れだって行けばランチだけでも1万円を超えることはよくあります。

 

アトラクションを楽しんだあとには、出口付近に世界観そのままのグッズ店が用意され、自然とお店に入るような導線になっていて、アトラクションの興奮冷めぬまま店内に入りついつい欲しくなってしまうような設計となっています。

 

決して安くない入園料でも来園者が増え続け、園内でも訪れたゲストがお金を使いたくなるような仕掛けを細部にまで施してあり、ゲストが飽きることなくリピートしているディズニーリゾートはビジネス設計の教科書のようにも思えるほど素晴らしいです。その結果が少子化と人口減少の進む日本でも入園料を倍にしても来園者数が増えている理由と考えられます。

 

30年前から会社員の収入や公的年金の受給額は増えていない

しかし一方で、ゲスト側の立場ではやはり負担は大きく感じてしまうもので、30年前と比べて会社員の収入や公的年金の受給額は増えていないのに、入園料は2.5倍以上、中のグッズや飲食も価格が上がっているのですから、子育て世代にとってディズニーリゾートに行くことの負担率としては大きなものになっているといえます。

 

そして、年金生活を営む世代にとっては自分達の入園料や食費、交通費だけでも大きな負担となります。そのうえ、ポリシーを曲げない金沢さん夫妻のように孫たちの分まで払うとなると1ヵ月分の年金受給額を使ってしまうほどにもなってしまいます。
 

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