南海トラフ巨大地震がきたら…災害発生時に起こり得る「株価の変動」へ、いまからできるリスク対策【ストラテジストが解説】

南海トラフ巨大地震がきたら…災害発生時に起こり得る「株価の変動」へ、いまからできるリスク対策【ストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2024年8月9日に公開したレポートを転載したものです。

最悪を想定して最善を望む

7月の下旬に名古屋でマネックス全国投資セミナーを開催した。セミナーの最後は恒例のパネルディスカッション。お客様からいただいた質問に登壇者が回答する。こんな質問があった。

 

南海トラフ臨時情報の「巨大地震注意」を受け、災害発生時に起こり得る株価の変動に対し、いまから対策できるリスク分散方法はどのようなものがあるか?

 

 筆者は以下のとおりの話をした。

 

東日本大震災(という巨大地震を)を我々は経験してますし、それ以降もいろいろな、今年の初めは北陸の能登など、災害というものを意識して我々日本人は暮らしてきたと思うので、もうこれは言うまでもないことです。しかし、リスク分散については、日本以外のアセットクラスに、アメリカ株でもいい、ゴールドでもいい、分散するのが一番いい対策だと思います。

 

まあ、こんな話は誰でも言うことだ。「そうだよね」で終わってしまう。筆者のコメントに価値があるとすれば、次のくだりである。 

 

あとは、気の持ち方ですね、一番重要なのは。「最悪を想定して最善を望む」ということです。最悪の場合にはこういうこともある、ああいうこともある、すべての最悪の状況を想定して、でもそうならないことを希望しながら日々生きていく。そうしながら自分でできる分散投資を限りなく、外国株や外貨とかに、日本と関係ないエクスポージャーを持つ。それが重要です。

 

「最悪を想定して最善を望む」というのは、筆者の座右の銘というか、人生訓である。実はこの春から初夏にかけて、個人的に非常に苦しい時期があった。そうした精神的・肉体的にも困難に直面したとき、自分を奮い立たせ、前に進めさせてくれたのが、この言葉である。

 

震災およびそのほかの災害、相場の急変動、そして人生。一歩先は闇であり、なにが待っているかわからない。そうしたなかでも、我々は前に進むしかない。我々が前へ、歩みを進めるための心構えとして、「最悪を想定して最善を望む」というスタンスは非常に有効である。これまでの60年の人生で学び得た、数少ない収穫のひとつである。

 

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