(※写真はイメージです/PIXTA)

年金制度に不安を感じ、現役時代に蓄えを少しでも多く増やさなければ……そんな意識が強い人も多いでしょう。しかし、せっかく貯めた老後資金も、使い方を誤ればあっという間に消え失せてしまいます。本記事では、新田さん(仮名)の事例とともに、老後資金における年金の立ち位置についてFP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。

「年金制度は崩壊する」…年金未納のまま1億円の資産を形成

「年金なんてアテにならない……。年金のために保険料を払うより、自分で貯金したほうがいい」こう考えて、コツコツと貯金に励んできた新田肇さん(仮名/71歳)。新田さんは若いころに学習塾の講師として勤務し、30歳を手前で元同僚が立ち上げた学習塾の講師として働いていたのでした。

 

新田さんは少子高齢化に対し若いころから危機感を持っており、「このままじゃ年金制度は崩壊する、年金なんて払ってたら損するだけ。保険料を貯金に回して自分で貯めるほうがよっぽど有意義だ」このように考えて国民年金に加入しないままでいました。

 

通常、会社員であれば会社で厚生年金に加入義務があるものです。しかし、新田さんは業務委託としての勤務形態。授業1コマあたりの金額が収入に直結し、個別指導や家庭教師の仕事も掛け持つ、半分個人事業主のような働き方をしていたので厚生年金には加入していません。国民年金保険料も未納のままにしていました。

 

また、現在では保険料を滞納すると日本年金機構より督促があり、督促に応じない場合、資産の差し押さえも行われていますが、以前は厳しい徴収はされず、新田さんのように未納のままにしていた人もいました。

 

そして、そんな新田さんが勤めていた学習塾も新田さんが62歳のころにM&Aで売却され、それを機に新田さんも退職することにします。

 

真面目で無駄遣いをしない新田さんは、コツコツと長い時間を掛けて貯金に励んできました。節約に精を出し、移動は基本徒歩、無駄遣いの温床(と新田さんはいいます)コンビニには近づかないようにしています。その結果、退職時には1億円以上もの金融資産ができていました。退職は、「このくらいあれば十分だろう」と考えてのことだったのです。

 

しかし、新田さんに想定外のことが起きます。

人生の転機…かつての教え子と再会

新田さんが退職する前、新田さんが58歳のころに以前新田さんが教えていた教え子の絵里さん(仮名/当時30歳)が塾講師として入社してきました。

 

新田さんとは28歳差。しかし、もともと先生と教え子という関係だったこともあってか、2人のあいだには久しぶりの再会を感じさせないような空気が流れていたのです。

 

2人が親密な関係となるのに、そう時間はいりませんでした。

 

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