不動産屋の仕事の3本柱は「賃貸」「売買」「管理」
まず、不動産屋の仕事とは何でしょうか。大手の不動産会社などは自社で土地を買い上げて建築し、販売するため開発、分譲、流通などもありますが、普通の不動産屋ではそこまではできません。
では普通の不動産屋は何をするのかといえば、他人の物を貸す(賃貸)、他人の物を売る(売買)、そして他人の物を管理してお金をもらう(管理)という仕事です。これは不動産屋の仕事の3本柱です。それに付随した仕事はあれども、つきつめれば、ある意味ではこれだけともいえます。
この不動産屋の3本柱はすべて仕入れがなく、他人の物で商売をしているのです。大家さんに気に入ってもらえれば、学歴も、経験も、元手もいりません。年齢すら関係ありません。こんなにいい商売があってもいいのでしょうか? それとも、なにか裏があるのでしょうか……?
経験・年齢不問の不動産屋ですが、サブリース、代理、一括借上げ、家賃保証、中間省略など、高度なテクニックが目白押しです。そのカラクリを知れば、さぞかしびっくりすることでしょう。
とはいえ、すべて他人の物での商売で、仕入れは必要ありません。言葉は悪いですがたとえれば、他人のふんどしで相撲をとり、ご祝儀を総取りするようなものです。
「資格」がなくても活躍できる不動産屋という仕事
また、さきほども経験・年齢不問と書きましたが、不動産屋は何歳になってもできます。筆者の会社にも現役バリバリ72歳の社員が在籍していますし、近くの不動産屋さんをみても、70代、80代の社員や社長がたくさん活躍しています。
さらに、経験や宅地建物取引士(宅建士)の資格がなくとも第一線で働き、売上げを上げている人がたくさんいるのです。
たとえば、船は操縦士の資格がある人が乗船していれば誰が操縦してもOKです。同じように、不動産屋も5人に1人の資格者がいれば、他の4人は資格がなくともバンバン仕事ができるのです。有資格者だから売上げ成績がよいとは限りませんし、不動産屋の社長でも資格のない人はたくさんいます。逆に資格があっても、仕事がまったくわからない人もいるのが現実です。
このように自分で資格を取らなくても不動産屋はできますが、こうしたことは一般にはあまり知られていません。本連載では、こうした不動産屋の知られざる内情を、こっそりご紹介していきたいと思います。