不動産業者の大きな収益源!? 「専有卸物件」の概要

前回は、不動産の売買用語である「手付流し」「手付倍返し」とは何かを説明しました。今回は、「専有卸物件」の概要を見ていきます。

スムーズな交渉は地元密着の不動産屋ならでは

私の会社のような小さな不動産屋が、土地を取得して大きなマンションを建て、そして分譲するなどということは、資金的にも建築技術的にも不可能と思われるかもしれません。しかし、世に出回っている新築ブランドマンションの中には、地元の小さな不動産屋が最初の土地を取得してできたマンションもたくさんあるのです。

 

大手のデベロッパーは通常、ある程度の利益が出る大規模な物件以外には手を出してこないものですが、駅近のエリアや繁華街の一角などの商業地は容積率が高く、中高層のマンションなどが建てられれば採算もとれるため、そんなに広い土地でなくとも参入してきます。

 

ところが、その土地を取得するためには、土地の所有者や、建物が立っていれば入居者などとも交渉しなければなりません。

 

地元密着の不動産屋なら、持ち主はもちろん、その家庭内部の事情もある程度わかるというものです。入居者などにしても、自社で仲介した入居者がいたりもしますので、比較的交渉もスムーズに運びます。

 

土地を買い上げる資金や入居者の立ち退きなどにお金が必要になりますが、大手が参入してくるような場所なら建設会社と共同で地上げもでき、建築費などの資金については、「専有卸」として買い上げてくれる販売会社やスポンサーをあらかじめ探しておいて、銀行の融資を取り付けるのです。

 

銀行も、出口が決まっている物件であれば融資してくれますので、そのお金で、地元の不動産屋と建築会社で建物を建てた時点、または建築確認を取った時点や検査済みの時点で、販売会社やスポンサーに買い上げてもらうことができます。これによって、地元の不動産会社は、当然、大きな利益を上げることになるわけです。

業者から買い上げた物件を自社ブランドとして売る大手

大手の有名マンションシリーズや販売実績の多い会社は、年間にいくつものマンションを販売しますが、自社で地上げから始めていたら、それほど多数のマンションを建築・販売することはできません。

 

マンション建築は、1軒の戸建てを建てるより、土地の取得、建築基準のクリアや近隣との問題、土地の調査、基礎工事・・・と複雑な工程を踏まなければならず、時間がかかるのです。

 

よくTVコマーシャルなどで「年間○棟の実績」とありますが、ほとんどの場合、「専有卸」として中堅の建築業者から買い上げて自社ブランドとして販売しています。ラベルは大手ですが、中身はいろいろな中小の会社が地上げしたり建築したりした物件ということです。

株式会社未来投資不動産 代表取締役社長

1959年新潟県生まれ。元国鉄職員。国鉄在籍中、20歳で喫茶、ジョンレノンを経営するも失敗し、27歳で破産、国鉄も退職、そして離婚。自殺を考えたが、子供の寝顔を見て一念発起、三国峠を通りバイクで10時間かけ新宿歌舞伎町へ。あらゆる仕事をし、株で儲けたお金でタイ料理シェラトンを買収。しかし、エイズ問題でタイ人が激減し閉店。また、携帯電話販売の会社を設立し、6店舗拡大も失敗。2度目の破産を経験。絶望の中、株式会社マンボー森下不動産の洗礼を受け独立。
「あなたの現在、未来を応援します」をモットーに賃貸、売買、管理まで、何でも引き受け盛栄中。現在、スタッフにも恵まれ、2店舗運営。さらなる高みを目指し奮闘中。

著者紹介

連載投資家として知っておきたい「不動産屋のウラ話」

本連載は、2016年10月21日刊行の書籍『誰も知らない不動産屋のウラ話』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

誰も知らない不動産屋のウラ話

誰も知らない不動産屋のウラ話

川嶋 謙一

幻冬舎メディアコンサルティング

“ディープタウン新宿"の不動産会社社長が業界のアブナイ裏話を一挙公開! 「学歴ナシ」「若さナシ」「経験ナシ」「金ナシ」でも儲かる仕組み、意外な慣習とは── 2回の自己破産を経験し、ありとあらゆる職業を渡り歩いて…

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