「金融資産」と「実物資産」の違いとは
個人が保有できる資産は「金融資産」と「実物資産」に大別できます。
金融資産には預貯金、保険、有価証券があります。
一方、それ以外で個人所有が認められているものは、ほぼすべてが実物資産といえるでしょう。個人が所有している実物資産としては、不動産や、金やプラチナなどの貴金属、美術品などがあてはまります。
資産運用にあたっては、金融資産と実物資産のバランスをどうやって取るのか、という点がポイントになるわけですが、それを考える前に金融資産と実物資産のそれぞれについて、メリットとデメリットを把握しておく必要があります。
金融資産のメリットは、小口化と流動性にあります。
株式は企業価値を証券化し、小口化したものです。時価総額が1,000億円の企業を買うのは、おいそれとできることではありませんが、それを小口化した株式で所有するのは簡単です。
時価総額が1,000億円でも、1億株の株式を発行すれば、1株あたりの株価は1,000円です。
小口化の利点は、他者への譲渡が容易になることです。だから株式が証券取引所に上場され、不特定多数の投資家によって売買されるのです。
そして、一定の流動性が確保されれば、現金化も容易になります。それを保有している人は、自分の好きなタイミングで、それを売却して現金化できるからです。
保険商品は金融商品のなかでもやや趣が異なりますが、小口でいつでも現金化できるという特性は、預貯金も同じです。預貯金の場合、金融機関の債務を小口化したものと考えることができます。
このような利便性がある反面、金融資産はかつてのリーマンショックのような金融危機が生じると、市場で形成されている価格が暴落するリスクがあります。
また発行体の信用リスクもあります。たとえば株式であれば、それを発行している企業が経営破綻した場合、ただの紙切れになる恐れがあります。
特に株式を保有している投資家は、債務返済順位が最も劣後するため、他の債権者が持つ債権を処理したうえで、それでも残余財産があった時に、ようやく配当が得られます。
そのため、債務超過で破綻されてしまうと、1円も手元に残らないということになってしまうのです。
これは債券も同様です。また預貯金は預金保険機構が一定金額まで、預金保険によって元利金の返還を保障しているものの、保障される額は元本1,000万円までと破綻日までの利息等なので、それを超える大口預金は、保障されない恐れがあります。
杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>