(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の暮らしを支える年金。受給者のなかには受給額が少ない人もいます。年金額が少ない人にはそれぞれに原因があって……。本記事では、安達さん(仮名)の事例とともに、高齢期に入ってからでも老後資金を増やせる方法についてFP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。

国民年金第一号被保険者のうち2割の人が年金未納

今回は公的年金が少ない安達さんご夫婦の事例をご紹介しました。安達さんのようなケースは実は珍しくなく、自営業者や、本来厚生年金に加入しなければならないはずだけれど加入せずに長期にわたり未納期間がある方もいます。また、経済的事情により免除を受けている場合も。

 

厚生労働省年金局が行った『令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況』によると、国民年金第一号被保険者のうち80.7%が納付しているというデータがあり、20%近くが未納であるという結果があります。

 

収入が低く納付が困難であるという場合には、保険料の減免を受けることも可能で、保険料の減額、もしくは免除を受けることも可能です。この場合、将来の年金が減額されることには注意が必要です。

 

また、もし未納期間がある場合は、60歳以後も厚生年金に加入することで経過的加算として未納分を厚生年金に上乗せして受け取ることもできます。60歳以後も厚生年金に加入することで老齢厚生年金を増やすこと、そして未納分の基礎年金の穴埋めも行うことができますので、こういった制度も活用するといいでしょう。

 

大事なことは自分が望む生活を行うために、いまなにをしなければならないかを考えることです。安達さんが孤独な老後ではなく晴美さんと2人で過ごすことを選んだことは決して分不相応な願いではありません。自分が望む生活を行うために、制度を知り、いまの自分に与えられた選択肢のなかから最適な手段を組み合わせ、最大限豊かな人生を送ることができる資金計画をいまから考えていけばよいだけでしょう。

 

 

小川 洋平

FP相談ねっと

CFP

 

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