30代は踏ん張りどころ、あえて積んでおきたい「修羅場」経験
外資系コンサルティング会社が官僚や伝統的な大企業に変わって東大生の就職先の上位を占めるようになっています。
2022年卒業生の就職先で最も多かったのは、外資系コンサルのアクセンチュア。就職先の上位10社は、以下、2位ソニーグループ、3位楽天グループ、4位マッキンゼー・アンド・カンパニー、5位日立製作所、6位に同数でソフトバンク、野村総合研究所、PwCコンサルティング、9位に同数でヤフーと富士通が続いています。
外資系コンサルと言えば、一般的には激務のイメージが強い業界ですが、高い給与水準に加えて、自らの成長とやりがいを重視する学生には適した環境が用意されていることが人気の理由にあるかと思います。コンサルの仕事をステップに、起業やキャリアアップを目指す学生も少なくありません。
時間をかけてじっくりと優秀な社員を育てる日本型の伝統的な企業のやり方では、ますます激化するグローバル競争やパラダイムチェンジする企業環境の変化についてはいけないという本能的な危機意識の表れかもしれません。
30代は「修羅場経験」をあえて積んでおきたい時期でもあります。修羅場経験とは、それまでの経験では太刀打ちできないような大変な経験のことを指します。例えば、不祥事対応や想定外の環境変化などに立ち向かうといったことが修羅場経験に当てはまります。
高度成長の時代には、一人前になるまで10年~15年とじっくり時間をかけ育成していく伝統的大企業の育成方法が効果的でした。専門知識・スキルを時間かけて獲得していくことにより、企業へのエンゲージメントも高まりますし、企業に個別最適な、言い換えると他社での汎用性がそれほど高くない専門知識やスキルを時間かけて獲得してもらうことは人材の社内囲いこみの観点でも合理的でした。
それが今は変わりました。短期間のうちに密度濃く修羅場経験を積んでいくコンサル企業のほうが環境変化に対してキャリア的にも合理的な選択肢になってきたのです。
あなたがどんな業界にいるにしても30代は進んで修羅場経験を積んでいくべき時代です。もちろん健康を害するような激務はNGですが、目の前に現れた修羅場に関しては、逃げることなく経験として立ち向かっていくことがあとのキャリアに効いてきます。
キャリアチェンジの成功者の自伝を読むと、やはり成功のベースには若いころの修羅場経験にあることがわかります。誤解を招く言い方になるかもしれませんが、頑張りどころを逃すことなく、この時期は流行に乗るようにワークライフバランス派に安易に追従しないことも必要です。
木村 勝
行政書士
リスタートサポート木村勝事務所 代表
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