全国300人以上の企業の社員を対象
FIXERは6月に、日本企業の社員を対象としたアンケート調査を実施した。本調査の目的は、生成AIに対する企業社員の印象や利用状況、期待する機能などを把握することにあった。調査項目としては、生成AIに対する印象、生成AIの利点が含まれている。
調査によると、「生成AIにどんな印象を持つか」との質問に対して「先進的」との回答が4割超を占め、最も多かった。生成AIの良いところについては「高い回答の生成精度」との答えが5割近くを占めた。多くの会社員が生成AIに先進的な技術を期待していることが浮き彫りになった。
調査はFIXERが全国の従業員300人以上の企業の社員を対象に6月6~7日に実施し、1,000件の有効回答を得た。情報・通信のほか、金融・保険、不動産、流通・小売りなどの企業が対象となった。
アンケートで「生成AIと聞いて、どのような印象を持つか」と聞いたところ、「先進的」との回答が45.8%に達した。次に多かったのは「便利そう」で28.9%だった。「胡散臭い」は14.2%、「怖い」は10.2%にとどまった。生成AIをはじけた新技術の台頭については、「人の仕事を取られる」など危機感をあおるような情報も少なくない。しかし、生成AIについては、会社員のほとんどが肯定的に評価しており、否定的なイメージは少ないことが明らかになった。
サービスの充実した活用支援求める声多く
自社で生成AIを使っている人に対して「導入した生成AIサービスの良いところはどの点か」と質問したところ、「高い結果(回答)生成精度」との答えが46.4%を占めた(複数回答)。次に多かったのは「サービスの提供元による充実した活用支援」(33.1%)だった。新しい技術だけに、丁寧なアフターケアが必要と考える人が多いようだ。
「高いセキュリティ、情報漏洩の心配がない」(31.1%)、「プロンプト(命令文)作成の支援機能」(30.5%)との回答も3割以上の比率に達した。生成AIを利用すると、入力した個人情報や企業の機密情報などが漏洩してしまうのでは、というリスクが問題視されており、専用環境などで情報を流出されない工夫を重視する人が多い。
また、適切な回答を得るには、適切なプロンプトを作る必要があるため、作成のサポートを求める声も多かった。このほか、「複数の大規模言語モデルを選択できる」(23.8%)、生成された結果(回答)の参照元が明記される」(19.9%)との回答もあった。
この調査を通じて、生成AIに対する社員の期待や関心が明らかになった。アンケートに回答した多くの社員が生成AIを先進的で便利な技術と捉えており、その高い生成精度や活用支援の充実を評価していることがわかった。今後、企業が生成AIを導入・活用する際には、セキュリティ対策やプロンプト作成の支援など、利用者のニーズに応えることが重要となるだろう。
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