マニュアル配布やプロンプト支援機能の要望も多く
調査はFIXERが全国の従業員300人以上の企業の社員を対象に6月6~7日に実施し、1,000件の有効回答を得た。情報・通信のほか、金融・保険、不動産、流通・小売りなどの企業が対象となった。本調査の目的は、生成AIに対する企業社員の印象や利用状況、期待する機能などを把握することにあった。調査項目としては、今後期待する機能や条件、生成AIの利用有無などが含まれている。
アンケートで「今後どのような機能や条件があれば、効果を実感できるか」と聞いたところ、「回答の生成精度の向上」が40.7%でトップ。「利用する生成AIサービスの詳細なマニュアルの配布」(21.3%)、「提供元による活用方法をレクチャーするセミナーの実施」(19.4%)が続いた。生成AIを導入しても、効率的な使い方がわからないという悩みがあることが浮き彫りになった。
「プロンプト(命令文)作成の支援機能」も11.1%と高い比率を占めた。生成AIはインターネット上の大量の情報を学習し、質問に答えることができる。一方、適切なプロンプトを入力しなければ、思うような回答を得られない面もある。プロンプトの作成には一定の技術が必要とされるため、作成のサポート機能が必要との声が多いようだ。「複数の大規模言語モデル選択機能」(3.7%)、「回答出力時の出典明記」(2.8%)との回答もあった。
「私用では利用しているが、業務では利用していない」人の理由
アンケートで「生成AIを利用しているか」と聞いたところ、「私用でも業務でも利用している」は6%だった。「業務では利用しているが、私用では利用していない」は9.1%、「私用では利用しているが、業務では利用していない」は8.5%に達した。「私用でも業務でも利用していない」人は76.4%、何らかの形で利用している人は23.6%だった。
「生成AIを私用では利用しているが、業務では利用していない」人に対して、理由を尋ねたところ、最も多かったのは「特に必要としていない」で61.2%に達した。「どんな業務に使えば良いかわからない」、「生成AIサービスの利用方法がわからない」との答えはそれぞれ13.1%だった。「業務での利用を禁止されている」は9%だった。情報流出への懸念から会社が利用を認めないケースも一部あるようだ。
生成AIの効果的な活用には、回答精度の向上やマニュアル、プロンプト支援機能の提供が求められている一方で、まだ多くの企業で生成AIの利用が進んでいないことが本調査で示された。今後の導入・普及に向けて、具体的な活用方法や効果的なサポート体制の整備が必要だ。
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