7月16日〜7月22日の「FX投資戦略」ポイント
〈ポイント〉
・7月11日に、3度目の米ドル売り介入が実施された可能性があり、それをきっかけに、米ドル/円は、161円台から157円台へ急反落となった。
・投機筋にとって予想外だったと考えられる「3度目の介入」を受け、米ドル買い・円売りに大きく傾斜したポジションの損益確定が、広がりやすくなったのではないか。
・今週の米ドル/円は、投機筋のポジション調整次第で、基本的には上値は限られ、下値余地が拡大する可能性もありそう。予想レンジは155~160円。
先週の振り返り=「3度目の介入」で米ドル急反落
先週の米ドル/円は、週半ばにかけて162円に接近し、この間の高値更新に迫りましたが、7月11日(木)の米6月CPI(消費者物価指数)発表の後から、日本の通貨当局による5月1日以来、3度目の米ドル売り介入が3兆円規模で実施された可能性があり、一転して157円台へと急落しました(図表1参照)。これにより、米ドル高・円安は一段落となったと言えるのでしょうか。
過去2ヵ月、151円から161円まで米ドル/円は目立った調整もなく、約10円上昇してきました。この期間、短期売買を行う投機筋のポジションは、米ドル買い・円売りに大きく傾斜した可能性があります。
例えば、投機筋の代表格であるヘッジファンドの取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計による、投機筋の円ポジションは、売り越し(米ドル買い越し)が最近にかけて、過去最大規模に拡大していました(図表2参照)。
これを踏まえると、さらなる米ドル買い・円売り余力はそもそも限られ、むしろポジション調整の圧力が、強まりやすい状況にあったのではないでしょうか。
また、7月は過去2年連続で、比較的大きく米ドル安・円高に動いており、それをもたらしたのは、夏休み前に米ドル買い・円売りに傾斜したポジションの調整が広がった影響と考えられました(図表3参照)。
以上のように、先週の米ドル/円の急落を受けて、米ドル買い・円売りに大きく傾斜したポジションの損益確定の意識が強まった可能性があるため、当面の米ドル/円の上昇余地は限られ、むしろ、ポジション調整の米ドル売り・円買いの広がり次第では、一段の下落に向かう可能性もあります。