子のいる夫婦の夫「離婚したい」…拒否する妻と、なんとしても別れる方法【弁護士が解説】

子のいる夫婦の夫「離婚したい」…拒否する妻と、なんとしても別れる方法【弁護士が解説】

司法統計やネットアンケートを調べると、離婚の申し立ては夫からより妻からのほうが圧倒的に多いという結果が出ています。しかし、夫のほうから別れたいと切り出すケースももちろんあるでしょう。本記事では、Authense法律事務所の離婚問題に精通する白谷英恵弁護士が、夫から切り出した離婚を円滑に進めるためのポイントを解説していきます。

離婚を断固拒否する妻と別れるための対処法

離婚を断固拒否する妻との話し合いにおいて進め方を間違うと、問題がこじれたり、長期化してしまったりするおそれがあります。離婚を拒否する妻に離婚に合意してもらうためにはどのような方法が考えられるでしょうか。

 

話をそらされる場合:調停など話し合いの場をもうける

妻に離婚話をもちかけても、話をそらされたり、取り合ってもらえなかったりした場合は、離婚調停の申し立てを行い、第三者を交えた話し合いの場をセッティングしましょう。

 

調停委員があいだに入ればお互い感情的になって話し合うことができなないといったことが少なくなり、対等に話し合うことができるはずです。

 

自分が不倫していた場合:状況に応じて対応を切り替える

配偶者に不倫されて離婚を申し立てるケースはよく見受けられますが、逆に不貞行為を働いた側が離婚を申し立てた場合、裁判所に認めてもらえるのでしょうか?

 

結論から言うと、申し立てを行うこと自体は可能ですが、有責者側からの離婚請求が認められることは原則としてありません。そのため、夫の取るべき対処の仕方も通常の進め方とは違ってきます。

 

有責配偶者の場合は、裁判での離婚が認められることがほとんどないため、基本的には、離婚を希望する場合には、協議離婚または調停離婚での成立を目指します。したがって、協議や調停に臨む際には、こちら側の一方的な要求を突き付けたり、強気な姿勢でいたりするのではなく、妻にお話合いの段階で離婚に合意してもらうために、妻側の望む条件を提示して誠意を見せるなど、真摯な態度で臨むとよいでしょう。

 

相手からの法外な請求が来た場合にはそのまま受け入れる必要はありませんが、自分が支払える精一杯の金額を提示することで、多少なりとも誠意を見せることができ、離婚の話し合いが進展しやすくなります。

話し合いが平行線を辿ったら、こじれる前に弁護士にご相談を

いろいろな対処法を試しても感情的になってまったく話し合いがまとまらず、平行線を辿ってしまう場合があります。

 

そんなときは夫婦2人だけの話し合いは避け、あいだに第三者を入れましょう。第三者といっても、夫婦に近しい親や親戚、友人だと中立的な立場を貫いてもらえない可能性がありますので、弁護士にご依頼いただくことも選択肢となります。

 

どうしても話し合いがまとまらない場合は離婚調停や離婚裁判を起こすことになりますが、その手続きについてもくわしい説明を受けることが可能です。

 

何事も初手が肝心といいますが、離婚問題も最初の進め方を間違うと、離婚裁判に発展してしまうおそれがあります。妻との離婚を決意したら、まずは自分の固い意志を伝えたうえで、必要に応じて別居するなど然るべき行動を行うようにしましょう。

 

少しでも話がこじれそうなときは、なるべく早めに離婚問題に強い弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

 

※1 裁判所:平成29年 司法統計年報 家事編

https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/024/010024.pdf

 

※2 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ:ブライダル総研「離婚に関する調査2016」

https://souken.zexy.net/data/divorce/divorce2016_release.pdf

 

 

白石 英恵

Authense法律事務所

 

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