離婚調停の「不成立」とは?
何度か離婚調停の期日を重ねてもなかなか成立しないとき、調停委員から「これは調停を不成立にするしかないかもしれません」といわれるケースがあります。不成立とは、調停成立の見込みがないために話し合いが打ち切られることです。
調停は当事者(申立人と相手方)が話し合いによって解決を目指す手続きです。双方の対立が激しくて溝を埋めようがないケースや、そもそも相手方が出席もしないケースでは、話し合いが成立する余地がありません。それ以上調停を続けても意味がないので不成立とされます。
離婚調停が不成立になる典型的なパターン
離婚調停が不成立になりやすいパターンとして、以下のような場合があります。
・双方とも親権を主張していて譲らない
・一方が不倫を主張しており、他方が否定している
・慰謝料の金額について合意できない
・一方が相手の財産隠しを疑っており、財産分与について話し合いができない
・DV事案で、加害者側が離婚を頑なに拒絶している、暴れたり騒いだりする
・調停期日何度か開かれているが、相手方が一向に出席しない、連絡もつかない
なお、対立しているポイントが養育費や年金分割であれば、調停内でなんとか調整されるケースが多数です。また財産分与や慰謝料であっても、対立がわずかであれば調停で調整可能です。
不成立の手続きの流れ
離婚調停が不成立になるとき、具体的にどのような流れになるのか説明をします。調停の成立見込みがないと考えられると、調停委員が担当の調停官(裁判官)と評議を行い、調停官が調停を不成立にすることを認めます。すると調停が不成立となり、調停委員から当事者それぞれに対し「不成立になりました」と伝えられます。
裁判所にもよりますが、特に相手方と同席したり調停官がやってきて説明されたりするわけではありません。調停委員が部屋に戻ってきて簡単に不成立になったことを伝えられ、そのまま当事者が帰宅するケースが多くなっています。
申請しない限り不成立の証明書を受け取ることもありませんし、相手とも会いません。裁判官から「今後離婚訴訟をしてくださいね」などと助言してもらえるケースもほとんどありませんし、後日になんらかの書類が送られてくることもありません。
当事者にしてみると、あまりにあっけなく終わるので拍子抜けするケースも少なくありませんが、それでも裁判所の方ではきちんと調停不成立の処理ができています。
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