年収550万円の32歳サラリーマン、趣味のドローンが「まさかの金脈」に化けたワケ【経営コンサルタントが解説】

年収550万円の32歳サラリーマン、趣味のドローンが「まさかの金脈」に化けたワケ【経営コンサルタントが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

起業と聞くと「特別なスキルや才能、資産がなければ成功しない」と考える人は少なくありません。しかし、日本では1日におよそ400社近くの法人が設立されるなど、起業は思っている以上に身近な存在です(東京商工リサーチ:2022年「全国新設法人動向」調査より)。いまの会社に満足しながらも、趣味のドローンで副業をはじめた佐藤さん(32歳)の事例をみていきましょう。経営コンサルタントの鈴木健二郎氏が解説します。

「SNS」での広報活動が、飛躍のきっかけに

ドローンの認知度を上げ、顧客を獲得するにはどうしたらいいのだろう……。新規顧客獲得の方法を思いあぐねていたある日、佐藤さんはSNSを活用するアイデアを思いついた。

 

「まずは身近なところから」とそれまでは主に自らの足で営業活動を行っていた佐藤さんだったが、YouTubeやInstagramに専用アカウントを開設し、自身の撮影した美しい映像を積極的に発信することにしたのだ。

 

すると、彼の映像は徐々に注目を集め、フォロワー数も増えていった。その結果、彼の撮影技術が評価され、一度は断られた地元企業や個人からも少しずつ撮影依頼が舞い込むようになった。

 

また、彼はドローンに関する法律についても徹底的にインプットし、安全基準を満たすための手続きにも精通。トラブルを防ぎ、顧客の信頼を獲得した。

 

さらに、不動産物件のプロモーションや農業の監視サービスなど、ドローンを使った新しいサービスを開発し、ニッチ市場の開拓にも成功。しだいに収入は本業に匹敵するほどに伸び、副業としてのドローン撮影は着実に成果を上げていった。

 

ついに、佐藤さんは思い切って本業であった上場企業の退職を決断した。副業から始めたドローンビジネスは、本業として事業拡大に向けまい進することとなった。

 

いまもなお、彼の事業は成長を続けている。大手広告代理店や映画製作会社からもオファーが届くようになり、彼は自宅に制作スタジオを設立すべく、鋭意準備中だそうだ。

彼の「無形資産」を支えた「情熱」と「挑戦」

佐藤さんの物語は、趣味や特技といった自分だけの「無形資産」を生かすことで、新しいビジネスチャンスを見出せることを示している。また、技術的な課題や法律的な障害に直面しても、乗り越えるための学びと工夫を施すことが重要であると教えてくれる。

 

さらに、彼はSNSを活用して自身のスキルを広めることで、広範な顧客基盤を築き上げることに成功した。

 

佐藤さんの成功のカギは、自分の情熱を信じ、困難に直面しても諦めず、常に前進し続けたことにある。

 

特別なスキルや資産がなくても、自分の得意分野や興味を活かして事業を興すことができる。彼の物語は「無形資産」を活かした起業に挑戦する勇気を与えてくれるはずだ。

 

 

鈴木 健二郎

株式会社テックコンシリエ

代表取締役

 

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※プライバシー保護のため、登場人物の情報は一部変更しています。

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