宿泊客からの言葉がきっかけで、自身の価値に気付くように
都心の一流ホテルでコンシェルジュとして働いていた井上裕也さん(仮名)、36歳・独身男性。彼の仕事ぶりに対する上司や同僚からの評価は、お世辞にも高いとはいえないものだった。
特に、緊急対応や宿泊客からの特別な要望といった臨機応変な対応が苦手で、目立つ成績を上げることができず、いつも二番手、三番手に甘んじていた。
一方、近隣エリアの観光案内には自信を持っていたのだが、そこは会社からは認められにくく、鳴かず飛ばずの評価に鬱々とした感情を抱えていた。
裕也さんの年収は400万円程度。生活には問題なかったものの、決して高い給与とは言えず、その点でも仕事に満足しているわけではなかったという。
顧客の何気ない反応から気づいた自分の価値
ある日、裕也さんは常連の宿泊客から「あなたの観光案内は温かみがあってとても良い。あなたのようなスタッフさんが増えれば良いのに」と言われた。この言葉が心に響き、裕也さんのなかに「自分の観光案内のスキルをもっと広めたい」という思いが芽生えた。
裕也さんは、次第に「独立して観光案内サービスを提供したい」という思いが強くなっていったが、その一方で「ホテルを辞める」という決断には大きな葛藤があったそうだ。
その葛藤の要因は、安定した収入と社会的地位を捨てることに対するリスクだった。今後の収入が保証されない独立への道は大きなリスクを伴う。しかし、顧客には喜んでもらえているにもかかわらず、自分の強みが評価に繋がりにくい職場環境で、彼は次第に「このままでいいのか?」という疑問を強く抱くようになった。
ある日、彼は同僚と飲みに行き、その不安を打ち明けた。その同僚は、実務的な対応力などホテル側で重視される評価の視点と、裕也さんが強みとする顧客想いの観光案内などのホスピタリティとが噛み合っていないことを以前から感じていたようだった。
同僚は裕也さんの話を真剣に聞き、「裕也、お前は本当に観光案内が好きなんだろ? 会社の価値基準がすべてじゃないさ。自分の情熱を信じてみたらどうだ?」と背中を押してくれた。
また、裕也さんの両親も「お前が本当にやりたいことを追求する姿を見たい」と応援してくれた。こうした周囲のサポートもあり、裕也さんはついに退職を決意した。
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